玉三郎、獅童、隼人「坂東玉三郎特別舞踊公演」への想い

玉三郎、獅童、隼人「坂東玉三郎特別舞踊公演」への想い

 京都・南座では6月1日(火)~6日(日)、19日(土)~27日(日)まで、「坂東玉三郎特別舞踊公演 中村獅童出演」が上演されます。今回の演目は、地唄『由縁の月』、長唄・義太夫『重戀雪関扉』の二作品。平成17年以来となる中村獅童、初参加となる中村隼人が出演します。
 公演に先立ち、坂東玉三郎、中村獅童、中村隼人が記者懇親会を行い、公演への想いを語りました。

坂東玉三郎
 南座での舞踊公演は16年目になります。古典を踏まえながら、色々なものをやらせていただいて参りました。今回、長唄と義太夫で『重戀雪関扉』を勤めさせていただきます。通常は常磐津ですから意外に思われる方も多くいらっしゃると思いますが、演出が新しくなったほうがご観劇の皆様にもお楽しみがあるのではないかと思い、舞踊会ということでこのようにさせていただきました。主に関兵衛の語りのところは義太夫で、小町のところは長唄で、というように落差をつけていますので、役柄も変わって面白くなると思いますし、義太夫が関兵衛にとても良く合うのではと思っています。また、『由縁の月』は、風情が関西のものですので、京都の皆様にもきっとお楽しみいただける事と思っています。

 今回、獅童さん、隼人さんに出演していただきます。こうして歌舞伎の歴史が前に進んでいく事を嬉しく思います・・・獅童さんは隼人君のおじ様にあたるのですよね(笑)。獅童さんは、古風な味をお持ちですので、関兵衛が似合うと思いますし、隼人さんの、若さと今出てきたばかりの時の花という魅力を皆様にもお楽しみいただけると思います。と同時に、この若いお二人に合わせて違和感なく勤めることが私の課題だとも思っていますので、私も時の花に見えるようでしたら、ありがたく思っています。

中村獅童
 平成17年の舞踊公演では、『雨の五郎』『船辨慶』を勤めさせていただきました。そして今回関兵衛という大役を勤めさせていただける事を非常にありがたく思っています。舞踊公演では、お客様の前で踊らせていただくという、お芝居とはまた違った貴重な経験を積むことで、自分の足りないところが良く分かります。しっかりと色々なことを教わり少しでも自分のものにしていきたいと思います。3年後にはまた新しい歌舞伎座もできますから、それまでにもっともっと自分自身力をつけなければいけないと思っております。

中村隼人
 宗貞というお話をいただいたときは全く実感が湧いてこなかったのですが、日が経つにつれ改めて大変なお役をいただいたと感じています。舞台でこのような大きな役を勤めるのは初めの事で、二枚目の役をするのも初めてですので玉三郎のお兄さんにしっかり教えていただき、どんどん自分で吸収しながら一所懸命勤めたいと思っています。また、獅童のお兄さんともはじめて共演させていただくので、緊張しておりますがとても楽しみにしています。

玉三郎、獅童、隼人「坂東玉三郎特別舞踊公演」への想い

2010/05/21