南座の吉例顔見世興行、今年のみどころ

 「南座新装開場二十周年記念 京の年中行事 當る辰歳 吉例顔見世興行 東西合同大歌舞伎」の演目、主な出演者が決まりました。平成3年に新装した京都四條 南座は今年20周年を迎え、記念すべき年にふさわしい豪華な顔見世となりました。

昼の部のみどころ――
 幕開きは新装20周年を寿ぐ『寿曽我対面』。我當の工藤、秀太郎の舞鶴に、孝太郎、愛之助の初役の十郎、五郎という、次世代につながる配役です。

 『お江戸みやげ』は今年4月に新橋演舞場で三津五郎、翫雀が初役で挑み、好評を得た演目。顔見世初の上演です。

 『隅田川』は昭和62年の顔見世で、代役として初役で勤めた藤十郎(当時・扇雀)が、藤十郎襲名後初めて、満を持して挑む大曲です。

 『与話情浮名横櫛』は仁左衛門の与三郎に、時蔵のお富、そして、蝙蝠安には初役の菊五郎という、顔見世ならではの東西の顔合わせとなっています。

夜の部のみどころ――
 新装となった南座で十三世仁左衛門が演じた『楼門五三桐(さんもんごさんのきり)』の五右衛門、20年目の節目の上演に我當が初役で挑みます。

 『実盛物語』は今回唯一の義太夫狂言。菊五郎の実盛は平成15年、五代目尾上菊五郎歿後百年團菊祭以来で、顔見世初登場となります。

 『仙石屋敷』は近年は『元禄忠臣蔵』の通し上演でしか見られませんが、顔見世初の単独上演となる今回、仁左衛門の大石、三津五郎の伯耆守の顔合わせで上演します。

 『喜撰(きせん)』は定評ある三津五郎の喜撰法師、時蔵のお梶で、前幕の赤穂の義士の世界から、ぱっと華やかな舞踊の世界へと誘います。

 切狂言の『らくだ』は岡鬼太郎版がおなじみですが、"上方版"での上演は昭和40年6月以来となります。物語の舞台も上方となり、いつもと違った雰囲気の世話狂言をお楽しみいただけます。


 11月11日には恒例の「まねき書き」、25日に「まねき上げ」、そして23日には新しい緞帳をお披露目する「緞帳開き」も行われ、吉例顔見世興行は11月30日に初日を迎えます。


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2011/09/20