巳之助、新悟が初日舞台挨拶、≪月イチ歌舞伎≫『蜘蛛の拍子舞/身替座禅』

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 4月12日(土)、≪月イチ歌舞伎≫『蜘蛛の拍子舞/身替座禅』の上映初日にあたり、東京MOVIX亀有で坂東巳之助、坂東新悟が登壇、初日舞台挨拶を行いました。

 『身替座禅』の上映後、スクリーンから抜け出した千枝と小枝が巳之助と新悟として現れると、「大和屋!」の声もかかり、二人はお客様からの大きな温かい拍手で迎えられました。

この舞台に出ていた頃は...
 勘三郎、三津五郎の右京と玉の井、「何回もやって手に入った二人だからこそなのですが、稽古を1回にしてしまった。いきなり舞台稽古で、緊張して...」と、当時を振り返った巳之助。新悟も「同じ月に新作の『大江戸りびんぐでっど』があったから、そちらの稽古に時間がとられて」と続け、スクリーンには映らなかった二人の苦労のほどをのぞかせました。

 「このときは巳之助さんが珍しく女方で、すごくきれいで皆に褒められて...」「それは、新悟さんの女方は見慣れているけど、僕のことは水族館でクリオネを見るような感じだったんですよ」「そのときの嫉妬で僕は成長できました」「えっ、彌十郎さんと僕たち楽屋が一緒だったけど、なんとなく冷たかったのはそのせいだったのか!」。二人の掛け合いに会場から笑いも起こり、短い時間はあっという間に過ぎていきます。

魅力はお客様が見つけてくださる
 スクリーンの『身替座禅』は平成21(2009)年12月の収録。巳之助が、「4年ほど前の舞台が残って、自分たちとしてはつらいところもあります」と正直な気持ちを打ち明けると、新悟も大きくうなずきましたが、それはまさに二人が伸び盛りの証拠といえるでしょう。「この年代の4年間は大きい」と巳之助の言うとおり、演じる役柄の幅が広がり、舞台の出演も増えているのは明らかです。

 「でも、舞台は役者がいないとお見せできないけれど、こうしてシネマ歌舞伎ならどこででも見ていただけるのはうれしく、頼もしい限りです」と、視点を変えて映像に残す魅力を語った巳之助。「シネマ歌舞伎で親しみを持って、劇場に行くきっかけにしてもらえれば。魅力は人それぞれなので、ぜひ舞台で探してください!」とアピールした新悟は、「まだほかにも作品があるので、いろいろ観ていただければ」と≪月イチ歌舞伎≫のことも忘れずにコメント。5月は31日(土)から、話題に出た『大江戸りびんぐでっど』が上映されます。


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2014/04/14