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歌舞伎座「十二月大歌舞伎」昼の部Bプロも開幕

 歌舞伎座「十二月大歌舞伎」昼の部のBプロが開幕しました。

 Bプロでは、『たぬき』に続いて、玉三郎の『保名』が上演されます。亡き恋人の小袖を肩にかけ、髪を乱し、うつろな様子であたりをさまよう病鉢巻姿の保名。廓の遊女と客の恋になぞらえて、自らの恋の様子を語り始めます。菜の花が咲き乱れる美しい舞台で、小袖を抱きしめ泣き沈むうちに、幕となりました。歌舞伎座では、実に26年ぶりとなる玉三郎の保名に客席も引き込まれ、哀愁漂う歌舞伎舞踊の名作を見せました。

 

 昨年に引き続き、Bプロで『壇浦兜軍記(だんのうらかぶとぐんき) 阿古屋』で阿古屋を勤める梅枝と児太郎が、それぞれ4日(水)、6日(金)に初日を迎えました。彦三郎の重忠と、九團次の岩永に呼び出され、花道から登場するシーンでは、二人の阿古屋が昨年よりも品位と大きさの増した姿を見せました。さらに、「琴責め」といわれる、琴、三味線、胡弓を用いて三曲を演奏しながら、愛する人を思う阿古屋の心情を表現する場面では、落ち着いて阿古屋として演じている様子と、演奏技術の成長を感じさせました。昨年初役として阿古屋を勤めた梅枝と児太郎。女方屈指の大役阿古屋を磨きをかけて演じる若手二人に、客席からも大きな拍手が送られました。

 

 

 歌舞伎座「十二月大歌舞伎」は26日(木)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

2019/12/06