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鴈治郎、扇雀、愛之助が語る、大阪松竹座「壽初春大歌舞伎」

鴈治郎、扇雀、愛之助が語る、大阪松竹座「壽初春大歌舞伎」

 

 2020年1月3日(金)から始まる大阪松竹座「壽初春大歌舞伎」に出演する中村鴈治郎、中村扇雀、片岡愛之助が、公演への思いと出演演目について語りました。

 12月の南座に引き続き関西での興行となる大阪松竹座「壽初春大歌舞伎」。鴈治郎は「12月の京都と1月の大阪というのが恒例になって、続けて関西で芝居ができるというのは大変うれしいこと」と、喜びもひとしおの様子。扇雀も「毎年お正月を大阪で、このメンバーと、そして今年は東京から来る幸四郎さんと迎えられてうれしい」と、喜びを表します。愛之助も「大阪に戻ってこられまして、本当にうれしく思っております」と、笑顔を見せました。

 

鴈治郎、扇雀、愛之助が語る、大阪松竹座「壽初春大歌舞伎」

 

親子孫三代で継承する歌舞伎の芸

 今年も父、坂田藤十郎と共演することに関して、「私も扇雀もですが、壱太郎、虎之介と、三代そろってまた出させていただける。こんなにうれしいことはございません」と鴈治郎。扇雀も、「父と共演ができることの喜びを、お客様にもお伝えできればと思っております。山城屋と成駒家でお正月を大阪で迎えられて、とてもうれしく思います」と、熱い胸のうちを語りました。

 

 藤十郎、鴈治郎、扇雀がそろうのが昼の部の切、『酒屋』。今回、藤十郎の三勝に、扇雀がお園を初役で勤め、鴈治郎が半七と宗岸の2役を勤めます。鴈治郎は、2役勤めることについて、「やっていて面白いと思う」とのこと。扇雀は、「お園は前からずっとやりたいと思っていた役のなかのひとつ」と述べ、「観ているお客様に、お園の気持ちを理解していただくことは難しいように思えますが、切ない心情を丁寧に演じれば、わかってもらえると思います」と、自信と意欲をみせました。

 

鴈治郎、扇雀、愛之助が語る、大阪松竹座「壽初春大歌舞伎」

 

 夜の部では、初世坂田藤十郎が藤屋伊左衛門を演じて当り役となった、『夕霧名残の正月』に着想を得てつくられた舞踊劇を上演します。「藤十郎襲名で復活させたこの演目を、きちんと息子二人が引き継いでいくという意味も含めて選んだ。息子たちがやるというところに意味がある」と口をそろえて強調した鴈治郎と扇雀。「きちんと継承していくことも、歌舞伎にとっては大事なこと」と語ります。

 

大阪らしい初春のめでたい公演に

 夜の部の切狂言『大當り伏見の富くじ』に出演する鴈治郎は、「面白い芝居ですが、こっち(演じる側)は大真面目な恋愛ものだと思ってやっています。仙波清彦さんの音楽もよかったので、前回をふまえていろいろ考えています」と、期待をもたせます。出演する愛之助も、鴈治郎の「いい芝居にしたい」との言葉に強くうなずきました。

 

鴈治郎、扇雀、愛之助が語る、大阪松竹座「壽初春大歌舞伎」

 

 愛之助は昼の部、夜の部合わせて4つの演目に出演します。そのなかの3演目で幸四郎と共演することについて、「幸四郎さんに来ていいただき、共演できますこと非常にうれしく思っております」と述べました。さらに、『義経千本桜』「川連法眼館の場」で佐藤忠信と源九郎狐を勤める愛之助。今回、源義経を勤める父、片岡秀太郎とは12月の南座でも共演しており、「本当にありがたい」と感慨深い様子。この演目は、「父と何か共演できればと思い選んだ」と明かしました。

 

 鴈治郎、扇雀が、「とにかく初春らしい、観ていただいてうれしくなるような、めでたい公演にしたい」、「例年通り、初春を松竹座で迎え、楽しい気持ちで新しい1年を迎えていただきたい」と意気込みをみせると、愛之助も「大阪らしい狂言がたくさん並んでおります。千穐楽まで頑張りますので、よろしくお願いいたします」と、公演に向けて気合を込めました。

 大阪松竹座「壽初春大歌舞伎」は来年1月3日(金)から27日(月)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

2019/12/17