平成31年度

(公社)全国公立文化施設協会主催

中央コース

松竹大歌舞伎

松本幸四郎改め 二代目松本白 鸚
市川染五郎改め 十代目松本幸四郎
 襲名披露

平成31年3月31日(日)~4月25日(木)

  二代目松本白 鸚
一、十代目松本幸四郎襲名披露口上(こうじょう)

 裃姿の俳優が舞台に並び、皆様に二代目松本白鸚、十代目松本幸四郎の襲名披露のご挨拶を申し上げる華やかな一幕です。

二、菅原伝授手習鑑(すがわらでんじゅてならいかがみ)

  加茂堤・車引

 歌舞伎の三大名作の一つである『菅原伝授手習鑑』は、菅原道真の伝記を中心とした時代物で、道真(菅丞相<かんしょうじょう>)に仕える白太夫の三つ子である松王丸、梅王丸、桜丸が活躍します。この三兄弟が朝廷の権力争いの波に巻き込まれて敵味方に分かれた末、それぞれの悲劇に見舞われます。
 加茂堤で、帝の弟の斎世(ときよ)親王に仕える舎人(とねり)の桜丸が妻の八重とともに、親王と菅丞相の養女の苅屋姫の恋仲をとりもち、二人は逢瀬を楽しんでいます。そこへ菅丞相と対立する左大臣藤原時平(ふじわらのしへい)の家臣が登場し、親王と苅屋姫は恋仲を隠すために出奔します。菅丞相は、これが原因となって、時平の譫言により、流罪となります。
 吉田神社にて、菅丞相に仕える梅王丸と菅丞相の流罪の原因をつくった桜丸が互いの境遇を嘆く中、時平の参詣の話を耳にし、行く手を阻みます。そして、これを制する時平の舎人の松王丸や杉王丸と争います。やがて、壊れた牛車から現れた時平を成敗しようと息巻く梅王丸と桜丸でしたが、逆にその威勢に身がすくんでしまいます。
 『加茂堤』では、斎世親王と苅屋姫の淡い恋や、桜丸と八重夫婦のみずみずしい様子を描く牧歌的な風情に包まれた前半から、二人を探す敵方の登場により緊迫感あふれる後半へと緩急ある展開がみどころとなります。『車引』では、松王丸と梅王丸の勇壮な荒事、桜丸の柔らかな和事、三兄弟の隈取に時平の公家荒の隈といった独特の化粧など、歌舞伎の醍醐味を満喫できる華やかな一幕をお楽しみください。

三、奴道成寺

 紀州の道成寺で行われる鐘供養に現れたのは、白拍子花子。舞を奉納する花子ですが、そのうちに烏帽子が外れて、狂言師の左近が変装していたことがわかります。所化の勧めに応じて、鮮やかな踊りを披露する左近ですが、やがて鐘への執着を見せて、鐘に上がって周囲をにらみつけるのでした。
 歌舞伎舞踊の大曲『娘道成寺』の立役版といわれる『奴道成寺』。冒頭、白拍子花子の姿でしとやかに踊りながらも、途中で狂言師であることを見破られてからの左近の舞踊が眼目です。特に「恋の手習い」では、おかめ、大尽、ひょっとこの3つの面を次々と取り替えて、巧みに踊り分けるクドキがみどころです。舞踊の面白さをご堪能ください。