3月新橋演舞場『猿之助十八番の内 獨道中五十三驛』出演者が意気込み

3月新橋演舞場『猿之助十八番の内 獨道中五十三驛』出演者が意気込み

 3月新橋演舞場では、弥生花形歌舞伎 『猿之助十八番の内 獨道中五十三驛(ひとりたびごじゅうさんつぎ)』が上演されます。この作品は江戸時代、鶴屋南北によって書かれた作品ですが、久しく上演が途絶えていたものを、市川猿之助が1981年に復活し、以来再演を重ねるごとに洗練され、猿之助十八番の中でも、上演回数の多い人気演目になっています。

 序幕「岡崎無量寺の場」での"化け猫の宙乗り"、二幕目「箱根大滝の場」の"本水の大滝"、大詰の"十二役早替り"など、スペクタクル満載の演出が随所にちりばめられた『獨道中五十三驛』、東京では実に13年ぶりの上演となります。

 公演に先立ち、製作発表記者会見がおこなわれ、出演者らが意気込みを語りました。

---会見冒頭、演出・市川猿之助からのコメントが紹介されました。

 この『獨道中五十三驛』は、猿之助十八番のなかでも上演回数が多く、再演のたびに工夫をこらして上演してまいりました。一昨年名古屋中日劇場で若手だけで上演いたしました折りにも、大変ご好評いただき、この度への公演へと続きました。
 今回もスピーディーなストーリー展開、宙乗り、早替り、そして、本水の立廻りと猿之助ワールド満載でございます。私も大いに燃えております。

市川右近
 この度、伝統ある新橋演舞場で、私たち猿之助一門の若手で『獨道中五十三驛』を上演できますこと、非常にありがたく思っております。
 皆様方のご厚情にお応えできますよう、師匠猿之助の指導を仰ぎ、懸命に稽古に打ち込み江戸歌舞伎のケレンの楽しさ、エンターテイメント性がたっぷりと詰まったこのお芝居を、お客様に喜んでいただけるよう、懸命に勤めたいと思っています。

市川段治郎
 昨年に引き続き、我々若手一門による新橋演舞場での公演、しかも師匠が心血そそいで復活された古典歌舞伎をこうして一ヶ月上演させていただくということは、とても身の引き締まる思いがいたします。
 丹波与八郎という善玉のシンボル的なお役を勤めます。見どころの一つとなる、二幕目20トンの本水を使った大立廻りも一生懸命勤めたいと思っています。どうぞ宜しくお願いします。

市川門之助
 この作品は、再演のたびに練り上げられ、変化しているお芝居なので、私も出演するのをいつも楽しみにしています。
 初演当時、先輩方が勤めていたお役を、我々が受け継いで勤めますが、先輩方が目指したものを目標に、お客様に成長した我々の姿をお見せすることで、以前の『獨道中五十三驛』とはまた違った作品の魅力を出していければと思っています。

市川笑也
 この公演が40代最後の舞台になり、感無量でございます(笑)。このお芝居は大量の本水を使いますので、マイナスイオンが客席にパーッと流れます。2日、3日と劇場に通いつめていただくと、きっとお客様のお肌も潤うのではないでしょうか(笑)
 マイナスイオン一杯の舞台で、滝の中へ入っていく重の井姫を勤めます。ぜひ、スペクタクルな舞台を見に来ていただきたいと思っています。

市川猿弥
 赤堀水右衛門、雲助逸平の二役を勤めさせていただきます。ぜひ新橋演舞場一杯に広がるマイナスイオンを、我々と一緒に浴びにいらしてください(笑)。
 エンターテイメント性一杯の楽しい舞台にしますので、ぜひ一人でも多くのお客様に見ていただきたいと思っています。

市川笑三郎
 最近の世の中を見渡しますと、大変な時代に差し掛かってきたと感じますが、そんな逆境をもろともしないのが、中高年のご婦人の底知れぬエネルギーではないでしょうか(笑)。
 私の勤めます、弥次郎兵衛女房おやえも、そんなおばちゃんパワーをお借りして、新橋演舞場の舞台と客席を一体化させ、江戸の世界と現代の世界の橋渡しを勤めたいと思っています。"安心と活力のあるお芝居"を心がけがんばりたいと思っています。

市川春猿
 私は、喜多八女房おきたを勤めさせて頂きます。笑三郎さんとご一緒しての、「東海道中膝栗毛」でおなじみの弥次さん喜多さんを女性に作り変えた"おんな弥次喜多"です。
 三枚目の役どころなので、私たちが舞台に出る事でお客様にほっとしていただけるように、一所懸命楽しく勤めたいと思っています。楽しみにしていて下さい。

市川弘太郎
 石井半次郎を勤めさせて頂きます。このお芝居は、本水あり、早替りあり、宙乗りありと、私と同じくらいの世代で、普段歌舞伎に慣れ親しんでいない若い方々にも、歌舞伎の入り口として、楽しんでいただけるお芝居だと思います。
 ぜひ、多くのお客様に観に来ていただきたいと思っています。

公演情報はこちらをご覧ください。

3月新橋演舞場『猿之助十八番の内 獨道中五十三驛』出演者が意気込み

2009/02/05