5月中日劇場『東海道中膝栗毛』出演者が意気込み

5月中日劇場『東海道中膝栗毛』出演者が意気込み

 5月中日劇場では、『東海道中膝栗毛』が上演されます。お馴染みの十返舎一九の「東海道中膝栗毛」に世界を借り、市川猿之助の演出のもと、市川右近、市川段治郎の新しい弥次喜多コンビが猿之助ワールドで大活躍いたします。

 江戸に住む弥次郎兵衛と喜多八が、今度新しくできるという尾張・名古屋のお城の金の鯱鉾をひと目見ようと旅を始める・・・が、そこは弥次喜多の二人旅、道中色々な騒動を引き起こします。屋台崩し、幽霊騒動など、見どころも盛りだくさん。猿之助歌舞伎には欠かせない宙乗りも、今回は弥次喜多の二人宙乗りという楽しみな趣向です。

 公演に先立ち、製作発表記者会見がおこなわれ、出演者らが意気込みを語りました。

---演出・市川猿之助からのコメントが紹介されました。

 

 澤瀉屋の「弥次喜多」は、昭和3年に祖父猿翁が東京歌舞伎座で上演いたしましてからご好評頂いている作品です。私も昭和50年7月、51年7月と上演いたしました。この度、一門でこの『東海道中膝栗毛』を上演できますのは、大変嬉しいことです。
 私の時とは一味違うユーモア二人旅を通して、当時の土地土地の風俗や出来事を、面白おかしく描いていきたいと思っています。
 『西遊記』『雪之丞変化2006』『獨道中五十三驛』『ヤマトタケル』に続く、恒例となりました中日劇場での澤瀉屋一門でのこの公演が、皆様のお力をお借りして、成功をおさめられますよう願っております。

市川右近
 今年も中日劇場で、私ども猿之助一門による公演が行えますことを嬉しく思っています。今年は、師匠猿之助の祖父・猿翁が昭和3年から20年あまりにわたって上演を続け、また、師匠の猿之助も昭和50年51年に勤めた弥次喜多の珍道中を上演させていただきます。
 不景気の中、皆様方の一服の清涼剤となるような華やかな舞台にしたいとおもっております。

市川段治郎
 毎年この季節は名古屋の中日劇場でお芝居をさせていただいており、ここは私たち一門のホームグラウンドの一つと言っても過言ではないと思っております。その大切な公演で今年は『東海道中膝栗毛』を上演させていただきます。

 昨年の『ヤマトタケル』では悲劇のヒーローを勤めさせていただきましたが、今回の喜多さんは食い気優先という感じですので、こちらのほうが自分にあっているかもしれません(笑)。今からワクワクしています。

市川笑也
 一軒家が舞台上で傾くようなダイナミックな仕掛けを取り入れたり、舞台上でもアドリブを交えたような楽しいやりとりができればと思っています。

 猿之助歌舞伎らしく展開が早くてスピーディーな、我々一門ならではの楽しいお芝居をお届けしたいと思っています。

市川猿弥
 今回の『東海道中膝栗毛』では、敵役を勤めさせていただくことになります。この5月公演の前の4月には、御園座で『雷神不動北山櫻』に出演させていただいており、2ヶ月続けての名古屋での公演になります。

 復活狂言と猿之助色の強い作品という、緊張感や気持ちの面でも大きく違う作品を2ヶ月続けて名古屋で勤めさせていただきます事をとても嬉しく思っています。

5月中日劇場『東海道中膝栗毛』出演者が意気込み


市川笑三郎
 師匠が『東海道中膝栗毛』を上演されたのは昭和50年・51年ですので、その舞台はビデオでしか見たことはありませんが、大変面白いお芝居だと思っています。
 その楽しい舞台を綯い交ぜにして、我々一門らしく猿之助色を盛り込みながら、どのような形でお見せできるか、自分でも大変楽しみにしております。

市川春猿
 毎年この時期に中日劇場で公演をさせていただいており、我々一門にとりまして大変思いの深い公演で、師匠の祖父・猿翁や、師匠・猿之助が勤めてきた『東海道中膝栗毛』を上演させていただくのは、本当に嬉しいことです。

 1年ぶりに中日劇場でお芝居が出来ることを楽しみに、また名古屋で美味しいものを沢山いただきたいと思っております。

市川弘太郎
 今は、大変な不景気で、世の中も少し沈んだ感じがいたしておりますが、そんな雰囲気を吹き飛ばして、皆様にお芝居を楽しんでいただけるように頑張りたいと思っています。

 私事ですが、先日入籍いたしました妻が静岡出身で、何度もご両親がこの中日劇場に足を運んでくださっています。僕にとって思い出の深い中日劇場で、結婚一年目の公演、今まで以上に頑張りたいと思っています。


―――作品の見どころ
右近
 今回の宙乗りは、段治郎さんと2階席後方から舞台に向かっての"二人逆宙乗り(笑)"。初めてのことですが、降りてくるのは急に客席が谷底のように広がってみえるので、いつもよりも、おっかないかもしれません(笑)。

 昨年の『ヤマトタケル』はテーマ性の強い作品でしたが、今回は抱腹絶倒の喜劇性の強い作品ですので、世界観がちょっと違っていて、きっと私たち一門の違った一面をお楽しみいただけると思っています。
 中日劇場では一昨年、今年3月には新橋演舞場で『獨道中五十三驛』を上演させていただきましたが、笑三郎さん、春猿さんの女弥次喜多が奮闘し、お客様とよいコミニュケーションがとれて、舞台が大変盛り上がりました。今回の『東海道中膝栗毛』の弥次さん喜多さんが、お客様にどのような反応をしていただけるのか、今から楽しみにしています。

 公演情報はこちらをご覧ください。

2009/03/28