勘三郎 こんぴら歌舞伎でお練り

勘三郎 こんぴら歌舞伎でお練り

 4月6日(月)、香川県琴平町に現存する日本最古の芝居小屋、旧金毘羅大芝居(金丸座)での『第二十五回記念 四国こんぴら歌舞伎大芝居』の初日を前に、中村勘三郎ら出演者が、金刀比羅宮で公演の成功を祈願し、桜満開の琴平の町を人力車に乗り恒例のお練りをおこないました。

勘三郎 こんぴら歌舞伎でお練り

▲ 金刀比羅宮での成功祈願

 お練りは、中村勘三郎を先頭に、金刀比羅宮の表参道を出発。紙吹雪の舞う快晴の空の下、詰め掛けたファンからの「お帰りなさい!」の声援に人力車から手を振り、時には握手をしながら幟で彩られた街をセレモニー会場に向かって進みました。


中村勘三郎
 桜満開の琴平で皆様から「待ってました、お帰りなさい!」とご声援をいただき、感無量でございます。この金丸座と出会い、ここで芝居をやりたいと言ってから、25年の月日が経ちました。
 第三回の公演で、今は亡き父が『沼津』の平作を勤め、「中村屋、待ってました!」の声に涙したそうです。翌年は『俊寛』をすると楽しみにしておりましたが、残念ながら4月16日に身まかりました。この二十五周年記念の公演で、その『沼津』と『俊寛』を勤めさせていただくことができます事、さぞ父も喜んでいる事と思います。
 25日間、琴平の満開の桜は散ってしまうかもしれませんが、舞台の花は満開が続くよう懸命に勤めます。どうか皆様ご支援のほど宜しくお願いいたします。


中村扇雀
 2年前、父・坂田藤十郎と一緒に金丸座にうかがい、『葛の葉』というお芝居で、廻り舞台・スッポンを使い、掛けすじで宙乗りを勤めました。前回木の葉を天井から降らせて、大変皆様に喜んでいただきましたので、今回は雪を降らせたいと思っています。2年という短い期間で、琴平に帰ってこられました事を本当に喜んでおります。
 今年は、この場所に移築される前の金丸座の柿落しを勤めた、祖父鴈治郎の二十七回忌でございます。今回、その祖父の最後の舞台となった『新口村』の忠兵衛を勤めさせていただきます。皆様のご声援に応えられるよう精一杯勤めたいと思っています。

勘三郎 こんぴら歌舞伎でお練り

▲ 大勢の人で賑わうお練り

坂東彌十郎
 こんぴら歌舞伎は7年ぶりでございます。金丸座は、皆様に舞台からの景色をお見せしたいほど素敵な空間です。そして、街の方々も親しく声をかけてくださって、とても嬉しく思っています。
 二十五周年といえば夫婦なら銀婚式、しかし金比羅といえば、やはり"金"の金婚式!50周年を目指してがんばりたいと思っています。


片岡亀蔵
 私は11年ぶりのこんぴら歌舞伎ですが、その時も『闇梅百物語』に出演させていただき、なぜか妖怪のお役が続いております(笑)。その他、『俊寛』『身替座禅』『沼津』と四演目に出演させていただいております。
 それにしても、今日は皆さん大勢お集まりくださって...すごい人数です!どうぞ宜しくお願いいたします。

勘三郎 こんぴら歌舞伎でお練り

▲ セレモニー会場「金陵の郷」

中村勘太郎
 私は今回初めて、こんぴらに来ることができました。本当にここに来るのが夢でした。父の襲名巡業で、うかがう予定もあったのですが、その時怪我をいたしまして残念な思いをしました。今回はその悔しさをバネに、そして今日お練りでいただいたものすごいパワーを舞台でお返しできますよう、一生懸命勤めたいと思っています。


中村七之助
 こんぴらに1ヶ月間出演させていただくのは初めての事です。尊敬する扇雀さん、彌十郎さん、亀蔵さん、そして父・兄とともに、祖父から代々愛し続けている舞台に出演できますこと、本当に嬉しく思っています。ぜひ大勢の方にこの金丸座に来ていただきたいと思っております。

公演情報はこちらをご覧ください。

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勘三郎 こんぴら歌舞伎でお練り

2009/04/07