玉三郎 『牡丹亭』 初日舞台挨拶

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 5月30日(土)、坂東玉三郎が主演するシネマ歌舞伎特別篇『牡丹亭』が封切られました。満席となった公開初日の築地・東劇では玉三郎が舞台挨拶に立ち、『牡丹亭』への思いなどを語りました。

 シネマ歌舞伎特別編『牡丹亭』は、今年3月に中国・蘇州で公演されたばかりの玉三郎主演・昆劇『牡丹亭』の公演に至るまでの過程を追ったドキュメンタリー編『玉三郎 16Days in 蘇州』と、その舞台をシネマ歌舞伎ならではの画面で見せる舞台編『牡丹亭』の2部構成になっています。


 公開初日は、午前の部・午後の部ともに予約で満席となる好調な滑り出し。
 玉三郎は、「ドキュメンタリーと昆劇の舞台映像をシネマ歌舞伎で上演するというこの企画は、どんなものになるか分からないところから始まりましたので、今日このように朝早くから皆さまに来ていただいて満席でご覧いただけたいうことに対し、本当に感謝の念がたえません。」と感激の面持ちで語りました。


 昆劇で『牡丹亭』という題材を選んだ理由について尋ねられると、
 「若い頃から中国の文化といいますか、文学、演劇というものに憧れておりました。そして、私が幼い頃に亡くなられた梅蘭芳(メイランファン)さんと私の祖父と父が交流がありまして、素晴らしい女方だということを父から聞かされ憧れておりました。
 
 色々な日本の文化、演劇のルーツを知るためにシルクロードのことを考えておりましたので、結局中国を渡って考えることになるんですね。そのなかで梅蘭芳さんへの憧れもありまして、梅蘭芳さんが演じている何かをやりたいと考え『楊貴妃』をやりたいと言ったら、父に"とんでもない"と言われたのですが・・・。

 ちょうど二十数年前に新橋演舞場で『玄宗と楊貴妃』という演目をやらせていただいたときに、梅蘭芳さんの息子さんでいらっしゃる梅葆玖(メイパオチュウ)さんに、動きや京劇の形を教えてもらったんです。

 その頃から色々勉強しておりますうちに梅蘭芳さんは昆劇を勉強した方だということが分かったんです。それで、昆劇の『牡丹亭』を勉強したいと思うようになりました。」とその過程を語りました。


 最後は玉三郎からの「満足されましたか?」の問い掛けに、会場のお客様から大きな拍手が沸き起こりました。

 尚、この日の舞台挨拶には、玉三郎も大好きな牡丹の大鉢が二鉢、島根県松江市より寄贈され、文字通り花を添えました。
(写真参照。島根県は日本一の牡丹の産地です。)

今後の興行情報

東劇
 5月30日(土)~7月10日(金)

なんばパークスシネマ
 6月6日(土)~上映終了日未定 6月19日(金)までは確定

MOVIX京都
 6月13日(土)~上映終了日未定 7月3日(金)までは確定

福岡中洲太陽
 6月27日(土)~7月17日(金)

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2009/06/04