秋巡業「嘉穂劇場」の魅力

秋巡業「嘉穂劇場」の魅力

 11月1日(月)~11月25日(木)全国18都市を巡る松竹大歌舞伎 秋季公演。22日(月)、23日(火)には福岡県飯塚市の嘉穂劇場を訪れます。古くからの芝居小屋の雰囲気を残し、海外からの観光客も多く訪れる嘉穂劇場の魅力をご紹介します。

 嘉穂劇場の前身は、1921年(大正10年)大阪・中座を模して建てられた木造3階建ての、その名も「中座」。その後、火災や台風などの災害にあいますが、1931年(昭和6年)新たに「嘉穂劇場」として伊藤隆氏により再建されます。

秋巡業「嘉穂劇場」の魅力

 観客は当時筑豊地域の中心産業であった石炭炭鉱の労働者とその家族が中心で、大衆演劇や歌手の公演などで賑わいましたが、1970年代になると、石炭産業の衰退もあって公演数も少なくなります。そうした中、経営を引き継いだ伊藤隆氏の娘・英子氏の奮闘などもあり、最近はレトロな雰囲気が人気となって、歌舞伎を初めとする様々な公演が数多く行われています。

秋巡業「嘉穂劇場」の魅力 公演に先立ち行われた記者会見で、坂東三津五郎が嘉穂劇場の印象を話しました。

 「平成20年の巡業で初めて嘉穂劇場に伺いました。以前から劇場のことは知っていて友の会にも入っていて、劇場が水害にあったときには援助をさせていただいた事もあります。2年前に伺った時は、また水害にあった後で、ここまで水が入ったという線が書いてあったのを憶えています。

 なにより、伊藤英子さんというお婆ちゃんが、自力でこの劇場の経営を続けてこられたことに、お芝居への愛の力を感じました。その時お目にかかれて嬉しく思ったのですが、今回伺う前に英子さんの訃報をお聞きして、とても残念に思っています。お疲れ様でしたという気持、伊藤さんへの追善の思いを込めて舞台をお届けしたいと思っています。」

 演目は、坂東巳之助の『浦島』、坂東三津五郎、尾上松緑による『泥棒と若殿』、『身替座禅』。昔ながらの芝居小屋でぜひお楽しみ下さい!!
 チケット好評発売中!公演詳細はこちらをご覧ください。

嘉穂劇場ホームページ
お問い合せ先:0948-22-0266

2010/11/16