勘九郎、七之助「錦秋特別公演 芯2013」で「いわて三陸鎮魂復興祭」に参加

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▲ 左より岸野央明(TAO)、中村七之助、中村勘九郎、高橋竹童

 

 9月28日(土)から始まる「錦秋特別公演 芯2013」に出演する中村勘九郎、中村七之助らが会見を行い、公演への意気込みを語るとともに、9月29日(日)に行われる「いわて三陸鎮魂復興祭」に参加することを発表しました。

 「歌舞伎を見たくても見に行けません」という1通の手紙から、全国へ自分たちが出向いて歌舞伎を見てもらおうと、「錦秋特別公演」を始めたのが平成17(2005)年。9回目を迎える今年は、2度目の出演となる津軽三味線の高橋竹童、初出演のドラム・アート・パフォーマンス集団TAOとの共演となります。

 勘九郎が「新しい息吹を運んできてくれる」と期待するTAOは、代表として出席した岸野央明が「和太鼓をモダンに現代的に、パフォーマンスを交えて演奏します。どこにも負けない気合いのステージを!」と、若さあふれる意気込みを見せました。

 また、錦秋公演では3回目となる作品、『コラボレーション~芯~』については、高橋が「踊りが乗ってくると、演奏もつられて乗ってくる」と言うと、勘九郎も「テンションが上がっていろいろやってしまう」と続け、七之助は「日々、進化しようとしていて、舞台の"熱"がすごかった」と、それぞれに異分野とのコラボレーションの面白さを強調していました。

 歌舞伎舞踊『団子売』は、祖父(十七世勘三郎)の代から踊ることが多かったと言い、「いつもは兄が女役のお福、弟が男役の杵造でしたが、今回は昼夜で役を変えるのが初の試みです」と七之助が明かすと、「何か新しいことを始めたい、いつもどおりでなくやってみたいと思いました。お互いに初役です」と、勘九郎も意欲的な挑戦であることを話しました。

 全国9カ所で行われる公演中、9月29日(日)には、岩手県宮古市の奥浄土ヶ浜特設会場で「いわて三陸鎮魂復興祭~三陸でむすぶ、にっぽんのこころ~」に参加、無料招待の2,000人を前に上演します。修行時代に東北に住んでいたという高橋は、昔から祭りや芸能が盛んで目の肥えた人たちが多い土地とあって「芸がどれだけ通用するか、怖いところもありますが、舞台でのパフォーマンスが皆さんの一番の力になると信じています」と、参加への熱い気持ちを語りました。

 「元気になっていただきたいと勤めたのが、逆にお客様から元気を倍にして返していただいたという、忘れられない感動があります」と、新潟県中越地震復興支援公演(2005年)のときの親子共演の思い出が残る勘九郎と七之助。勘九郎は、「(復興支援に)参加できることが幸せ。今回の震災当時、父が病気でできなかった悔しい思いを引き継げることがうれしい」と語り、七之助も「いいものをお見せしないと父に怒られる。恥ずかしくないように勤めたい」と述べ、特別な思いを寄せていることを明らかにしました。

 「いわて三陸鎮魂復興祭」は、宮古の伝統芸能ほか三陸地域の祭りや芸能の共演と、スペシャル公演「芯」で構成されます。詳細はこちら。

2013/07/11