新しい歌舞伎座で初、梅枝、萬太郎が「子供歌舞伎教室」出演

『鷺娘』中村梅枝

『鷺娘』中村梅枝

『供奴』中村萬太郎

『供奴』中村萬太郎



 
 11月23日(土・祝)、歌舞伎座で第243回「子供歌舞伎教室」(主催:公益財団法人都民劇場、共催:東京都、協賛:松竹株式会社・公益社団法人日本俳優協会、製作:歌舞伎座)が開催され、中村梅枝、中村萬太郎が出演しました。

 昭和27(1952)年に歌舞伎座で始まった「子供歌舞伎教室」は、建て替え中は新橋演舞場で行われていましたが、歌舞伎座新開場となった今年、4年ぶりに歌舞伎座に帰ってきました。

 早朝にもかかわらず、場内はほぼ満席。初めに花道や定式幕など、歌舞伎専門の劇場である歌舞伎座についての解説があり、招待された小学生から高校生までの児童生徒と同伴の保護者らが熱心に聴き入っていました。

 幕が上がって萬太郎の『供奴』が始まりました。奴の踊りの代表的な作品で、軽快で華やかな舞踊です。お供に遅れた奴が主人の真似をしたり、奴の仕事を振りで見せたりと気持ちのいい役で、威勢よく、愛嬌たっぷりに楽しい踊りを見せます。足拍子も鳴物とピタッと揃い、大きな拍手が起こりました。

 続いて梅枝が、幻想的な女方舞踊として知られる『鷺娘』を踊りました。広い舞台一面の雪景色の中、中央のせりから現れた鷺の精。引抜きも見事に決まってあでやかな娘の踊りを見せたり、長唄と鳴物の演奏をたっぷり聴かせたり、また、照明効果もあって歌舞伎の特徴がふんだんに盛り込まれています。最後は地獄の責苦にあった鷺の精が雪の中で息絶え、幕が下りました。

 客席からの熱い視線に支えられて果敢な挑戦を見せた若手歌舞伎俳優二人はそれぞれ、場内いっぱいの温かい拍手に包まれていました。

2013/11/23