七之助が松尾芸能賞新人賞受賞

matuogeinou_2015.jpg 3月27日(金)、第36回松尾芸能賞の贈呈式が行われ、中村七之助が新人賞を受賞しました。

 贈賞理由としては、「近年はすっきりとして清潔感のある容姿を活かし、若手女方として数々の娘役を演じてきたが、父の急逝後は兄である勘九郎と中村屋一門を支えるとともに、父の遺志を継いで納涼歌舞伎、コクーン歌舞伎、平成中村座公演を続けてきた」と、昨年6月のコクーン歌舞伎、7月の 平成中村座ニューヨーク公演と、続く歌舞伎座 「八月納涼歌舞伎」の凱旋記念で上演された『怪談乳房榎』、10月・11月の連続追善公演での活躍などが高く評価されました。

 授賞式では、十代の頃は重い衣裳で立役のように舞台で発散できない女方がつらくて好きではなかったが、玉三郎に「どんなときでも気持ちが動いていないと、じっとしている間も心を動かしていないと場面が死ぬ」と教えられ、その言葉をきっかけとして役の奥深さや歌舞伎の魅力に目を見開かされた、というエピソードも紹介されました。

 昭和54(1979)年に、「日本の伝統ある劇場芸能を助成し、振興し、もって我が国独自の文化、芸能の保存及び向上に寄与することを目的」として創設された松尾芸能賞では、多くの歌舞伎俳優が大賞、優秀賞、新人賞に輝いており、3年前の新人賞は兄の勘九郎が受賞、また、平成14年には父の十八世勘三郎(当時 勘九郎)、昨年は伯母の波乃久里子が大賞を受賞しています。七之助も授賞式後の取材でこのことに触れ、「父に報告したい」と受賞の喜びを語り、今後も賞にふさわしい俳優になることを誓いました。

2015/03/28