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染五郎が『幻想神空海』をおおいに語る

染五郎が『幻想神空海』をおおいに語る

 2月29日(月)、歌舞伎座ギャラリー「歌舞伎夜話(かぶきやわ)」第13回に市川染五郎が登場、歌舞伎座「四月大歌舞伎」で上演される新作歌舞伎『幻想神空海』について語りました。

 初日を待ちきれずに駆けつけたお客様の前に登場した染五郎、4月の上演に向け、いよいよ作品のつくり込みを始めたことを明かしました。

 

 原作『沙門空海唐の国にて鬼と宴す』は、留学僧として入唐した空海が橘逸勢とともに、王朝を騒がす大いなる闇に挑み、浮かび上がる楊貴妃の死の謎を追っていくという伝奇物語です。台本を読んだ第一印象を「面白かった」と言う染五郎。

 

 「スケールの大きなファンタジー。せりふは多いが、せりふ劇という感じではなく、短い言葉の掛け合いでテンポよく進んでいくのが心地よい」と、松也勤める橘逸勢との掛け合いもみどころになりそうです。「いろいろな場面が次々に展開していくような、お客様を飽きさせない一幕物にしたい」との情報に、いったいどんな舞台になるのかと、早くも客席がさざめきます。

 

染五郎が『幻想神空海』をおおいに語る

 自身の演じる空海が、不思議な魅力で周囲の人々を巻き込んでいくことについて、染五郎は「強い精神力、体力、才能を持った人ですが、だからといって説教をするような人物ではなく、どんなときでも楽しんでいる。ロマンチックなせりふをペロっと言えてしまう」と、人物像を分析。

 

 「事件が起きても、眉間にしわを寄せて考え込むことはなく、堂々と平常心で受け容れる。それが、さまざまな荒行を経て得た、彼の強さです。空と海、その字を名前に選んだことが、すべて物語っていますよね」と、すでに役のイメージをつかみながら、これからどう進化させていこうかと笑顔を見せます。

 

 空海が用いる摩訶不思議な術にも注目。染五郎は「非現実的なことが、現実に起こるような舞台を目指します」と、あっと驚く仕掛けを構想中の模様です。さらに「猫の妖物」や「宴」など、作品の重要なキーワードが登場するたび、「まだ詳しくは言えないけれど…」と、遊び心ものぞかせます。その一方、「新作は自分の考えをブレさせずに、いかに目指すべきところへ持ち込めるかが勝負」と語り、しっかり前を見据えていました。

 

 “ここだけの話”を少しずつ明かした染五郎は、4月公演に向けて今回撮り下ろした空海の写真が、歌舞伎座限定スイーツ「抹茶染プリン」をお買い求めの方に、期間限定(4月26日[火]まで)でプレゼントされることも忘れずにアピールしていました。

 

 「四月大歌舞伎」『幻想神空海』の初日がますます待ち遠しくなる――。そんな一夜となりました。

 歌舞伎座「四月大歌舞伎」は、4月2日(土)から26日(火)までの公演。チケットは3月12日(土)より、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイトチケットホン松竹にて販売予定です。

 

染五郎が『幻想神空海』をおおいに語る

2016/03/01