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『KABUKI LION 獅子王』、超歌舞伎『今昔饗宴千本桜』がクールジャパン・マッチングアワード・グランプリ受賞

『KABUKI LION 獅子王』、超歌舞伎『今昔饗宴千本桜』がクールジャパン・マッチングアワード・グランプリ受賞

 「第1回クールジャパン・マッチングアワード・グランプリ」受賞者代表と審査員 前列右より3人目、グランプリ受賞の松竹株式会社社長迫本淳一

 

 

 2月16日(木)、「第1回クールジャパン・マッチングアワード・グランプリ」表彰式で、「『KABUKI LION 獅子王』と『超歌舞伎・今昔饗宴千本桜』における歌舞伎とテクノロジーの融合」のグランプリ受賞が発表されました。

 クールジャパン・マッチングアワードは、クールジャパン官民連携プラットフォーム(内閣府知的財産戦略推進事務局)が主催するもので、「日本の魅力を海外に展開する商品やサービスを生み出す異業種間連携とその効果を広く社会で共有し、こうした活動を奨励・普及・促進することを目的として、企業・団体間の取組を公募し、先進的と認められる事例を表彰」するものとして、今年初めて開催されました。

 

『KABUKI LION 獅子王』、超歌舞伎『今昔饗宴千本桜』がクールジャパン・マッチングアワード・グランプリ受賞

 鶴保庸介内閣府特命担当大臣(クールジャパン戦略)より、グランプリの賞状を受けた迫本淳一松竹株式会社社長

最先端技術との連携で

 昨年5月、ラスベガスで上演された『KABUKI LION 獅子王』は、特別協賛・技術協力パナソニック、技術提供NTTで歌舞伎の演出、音響で画期的な成果を挙げ、さらに、4Kマルチライブビューイングや、羽田空港国際線ターミナルと現地をつなぎ、染五郎が疑似3Dで日本の観客にご挨拶をするといったイベントも行われました。

 

 また、4月に幕張メッセで上演、会場での観劇と同時配信の動画で話題となった『超歌舞伎・今昔饗宴千本桜(はなくらべせんぼんざくら)』は、超特別協賛NTTの先端技術により、ボカロの初音ミクと獅童が共演する演出、ドワンゴによる史上初の新作歌舞伎生中継、動画配信が評価の対象となりました。

 

染五郎、獅童も喜びと感謝のコメント

 表彰式では出演者として、『獅子王』の染五郎と、『超歌舞伎』の獅童が、受賞の喜びと感謝をVTRコメントで寄せました。染五郎は、「ラスベガスで初めて歌舞伎をご覧になる方も楽しめるように、歌舞伎の得意技、面白さを随所に盛り込んだ作品でした。最新技術により新しい歌舞伎が誕生したことを、世界にアピールできたのではないかと思っております。歌舞伎は常に時代の最新技術をとり入れ、進化してまいりましたが、今後も新たな開発、発明された技術と歌舞伎が融合し、新しい歌舞伎の歴史つくられていくことを心から楽しみにしています」と述べました。

 

 獅童は、「若い方に少しでも歌舞伎に興味を持ってもらいたいと思い、チャレンジをさせていただきました。最先端技術と歌舞伎のもっている古典との融合が、たいへんうまくいったのではないかと思います。そして、初音ミクさん、ニコニコユーザーの皆さんの力をお借りして、作品ができ上がりました。多くの方々の結集であるこの作品から、また次の作品へつなげていけたらと思っております」。審査員評でも、日本の伝統芸能と現代のアニメキャラクター、クールジャパンをデジタル技術と組み合わせて発信するという、今回の賞のテーマにこれ以上ふさわしい作品はないと評されました。

 

異業種との協業で新しい歌舞伎の展開を

 第1回のグランプリ受賞の栄誉を受け、迫本淳一松竹株式会社社長は、喜びの第一声に続き、「社として、ほかではつくれないものをつくり、若い人に見ていただき、グローバルに展開していこう、ということをしております。グローバル展開といっても、これまでのような文化使節として持っていくのではなく、ローカライズしなければいけません。最新のテクノロジー、コンテンツを通じて社会貢献していこうという、非常に高い企業理念をお持ちの企業様との連携があったからこそそれができました」と、2作品で連携した各社にも深い感謝の念を述べました。

 

 さらに、「われわれの産業は時間消費型ですので、スポーツや食事をする人の足を、どうやってこちらへ向けてもらうか、ときには健康産業や食の産業、そういった異業種との連携が非常に大切になってくると思います」と続け、これからも現代の歌舞伎を新たに展開させていく意欲も語りました。「クールジャパン・マッチングアワード」の詳細については、下記をご覧ください。

 

 

「クールジャパン・マッチングアワード」公式サイト

2017/02/17