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松也が浅草芸能大賞新人賞受賞、梅玉は「スターの手型」顕彰

松也が浅草芸能大賞新人賞受賞、梅玉は「スターの手型」顕彰

 「第33回浅草芸能大賞」左より、ナイツ(奨励賞)、加山雄三(大賞)、尾上松也(新人賞)

 3月18日(土)、東京 浅草公会堂で「第33回浅草芸能大賞授賞式」が行われ、尾上松也が新人賞を受賞しました。同時に行われた「スターの手型」顕彰式では、新たに浅草公会堂に手型が飾られる被顕彰者の一人として、中村梅玉が登場しました。

 

松也が浅草芸能大賞新人賞受賞、梅玉は「スターの手型」顕彰

 大衆芸能の奨励と振興を図る目的で公益財団法人台東区芸術文化財団が創設した浅草芸能大賞で、33回目の今回、歌舞伎俳優としては3人目となる新人賞に松也が選出されました。

 

 「新春浅草歌舞伎」では若手のまとめ役として3年目を迎え、ミュージカルや新派、テレビドラマなど幅広い活躍も高い評価を得ており、次世代の歌舞伎の担い手という期待を受けての新人賞受賞となりました。松也は、「こんなにありがたいことはございません。この賞に恥じないように1年間精進いたしまして、この公会堂へお正月に戻ってこられることを楽しみにしております」と喜びました。

 

 授賞式後のトーク時間には、「賞をいただくと、うれしいと同時に責任も感じて身が引き締まります」と切り出し、自然と「新春浅草歌舞伎」の話に。「若手の登竜門として、先輩方の胸を借りて出させていただいていたときもですが、先輩後輩関係なく一致団結してひと月を乗り越える、初役が多く緊張するけれど、自分自身も楽しんでしないとお客様が楽しめない、そういう気持ちを持ちつつやっています。俯瞰で自分を見なければいけないということも、浅草で舞台をさせていただくなかでわかってきました」と、浅草での歌舞伎公演が持つ特別さについて語りました。

 

松也が浅草芸能大賞新人賞受賞、梅玉は「スターの手型」顕彰

 実は、第1回授賞式の昭和60(1985)年は、松也が生まれた年でもあります。司会者から「浅草芸能大賞とともに松也さんがある」と言われ、「そう言っていただけるとありがたい。運命を感じます」とにっこり。また、今年度の大賞受賞者が加山雄三さんだったことも、「天気のいい日は必ず加山さんの歌でドライブをします」という松也にとっては、うれしいことの一つだったようです。

 

 「若い時分はなかなか思いどおりにいかないことはありますが、それでも何かやっていかないといけないと思い、やってきたことが、少しずつ花開きつながってきていることは本当にありがたい。今、歌舞伎はいつでも見られますが、そうではない時期もありました。今に甘んじることなく、次の世代に歌舞伎をつないでいけるように、危機感を持っていろんな努力をしていかないといけないと思っています」。この新人賞を一つの節目とし、次を見据えた松也の真摯な発言に、温かい拍手と大きな期待が寄せられました。

松也が浅草芸能大賞新人賞受賞、梅玉は「スターの手型」顕彰

 「スターの手型」顕彰式では、今年度の5名の被顕彰者の一人として梅玉が登壇。「浅草は江戸歌舞伎のメッカ、その地でこのような顕彰をいただいたこと、ありがたいと思っております」と感謝を述べました。「大衆芸能の振興に貢献した芸能人の功績をたたえ、その業績を後世に伝えるため」、台東区が浅草公会堂正面のスターの広場に飾る手型の数は、これで316となります。

 

 「第1回の昭和54(1979)年度には、父の六代目中村歌右衛門をはじめ当時の大先輩の方々が顕彰されております。それから38年、もうちょっと早くもらいたかった」と、ユーモアたっぷりの挨拶には会場も大笑い。「でも、きっと父は喜んでいてくれると思います。これからも400余年続いている伝統歌舞伎の継承者として、後世に残せるように」と歌舞伎界への尽力を誓う言葉に、大きな拍手が壇上の梅玉を包み込みました。

 

松也が浅草芸能大賞新人賞受賞、梅玉は「スターの手型」顕彰

 平成28年度「スターの手型」被顕彰者 樹木希林、中村梅玉

2017/03/19