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吉右衛門、雀右衛門、染五郎『再桜遇清水』歌舞伎座初上演に向けて

吉右衛門、雀右衛門、染五郎『再桜遇清水』歌舞伎座初上演に向けて

 

 

 9月1日(金)の歌舞伎座「秀山祭九月大歌舞伎」開幕を前に、夜の部『再桜遇清水(さいかいざくらみそめのきよみず)』で作・監修を務める中村吉右衛門と、出演の中村雀右衛門、市川染五郎が、初日に向けての意気込みを語りました。

歌舞伎座にぴったりはまる『再桜遇清水』

 前回の上演から13年、歌舞伎座では初上演となる『再桜遇清水』。松貫四の名でこの作品を書いた吉右衛門は、「歌舞伎座で再演することを念願にしておりましたので、我が意を得たり、というところでございます」と笑顔を見せ、「歌舞伎座は昔の芝居小屋を、そのまま近代化したという感じですので、江戸時代からある芝居小屋の金丸座でつくった芝居をもってきても、違和感がありません」と、語りました。

 

 そして、初日を前にして、「初演の苦労も今回で忘れました。皆さん張り切ってやってくれておりますので、私としては大満足」。今回、監修として吉右衛門はおおいに手応えを感じている様子で、晴れやかな初日を迎えることになりそうです。

 

 「この芝居が頻繁に上演される作品になるために、頑張って勤めていきたい。染五郎最後の秀山祭はこれを勤めていたなと、いい思い出し方ができるように、結果を出したいと思っています」と気合を入れたのは、これまで吉右衛門が勤めていた役を演じる染五郎。その相手役の桜姫を勤める雀右衛門は、「若干、私のほうが年上なのですが、若く勤めたいと思います」とにっこり。「女方の栄養になることを教えてもらえますので、いつもわくわくしながらご指導いただいており、ありがたく思っております」と、吉右衛門へ感謝を述べました。

 

初代吉右衛門ゆかりの演目が並ぶ「秀山祭」

 今回が記念すべき10回目となる秀山祭ですが、「10回はひと昔…、まだまだです。秀山祭あっての私、それくらいの意気込みでやっております」と吉右衛門。染五郎も、「(初代吉右衛門に)ゆかりのある『毛谷村』にも出していただいております。傑作を傑作にするように勤めるのは高いハードルだと思いますが、あえてそこを目指して勤めたいと思っています」と、意欲的に語りました。雀右衛門は、「最初から参加、勉強させていただきました。7月で雀右衛門襲名披露興行も終わり、この秀山祭が新たな第一歩、一所懸命勤めます」。

 

 「お客様が感動する芝居を、役になりきって、毎日初日のつもりでやる。お客様を楽しませるのが初代の念願、私はそれを守ってやってきました。できるだけ長く舞台に立ち続けて、80歳で『勧進帳』の弁慶ができたらいいなあ、そうして、100歳まで秀山祭ができたら…」。吉右衛門は願いを胸に、舞台稽古へと向かいました。

 歌舞伎座「秀山祭九月大歌舞伎」は、9月1日(金)から25日(月)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイトチケットホン松竹にて販売中です。

2017/09/01