歌舞伎座「三月大歌舞伎」初日開幕

歌舞伎座「三月大歌舞伎」初日開幕

 

 

 3月3日(土)、歌舞伎座「三月大歌舞伎」が初日の幕を開けました。

 桃の節句に初日を迎えた歌舞伎座は、愛之助初役の和藤内が獅子ヶ城の楼門をぐっと見込んで始まりました。『国性爺合戦』のスケールの大きさを表すのが、この和藤内の荒事。見得や大立廻りに、豪快な二つの六方の引込みも見せます。その一方で、扇雀の錦祥女と東蔵の老一官、20余年ぶりの父娘の再会があり、親の慈悲と忠孝に心打たれ夫の刃にかかるという錦祥女の献身もあり、そんなことをさせては日本の恥と命をはる秀太郎の後妻渚の揺るがぬ心あり。情愛あふれる物語が心を打ちます。

 

 続いて『男女道成寺』。所化に呼び出された友右衛門の明石上人が、「父をお偲びいただければ」と、四世中村雀右衛門七回忌追善狂言の幕を開けます。春爛漫の道成寺にやって来た雀右衛門と松緑の二人の白拍子、一人は烏帽子が落ちて狂言師の姿に。並んで踊ると二人それぞれの特徴がいっそう際立ちます。鈴太鼓の踊りからキッと鐘を見込んだ花子の表情に、先代の面影を感じ、追善にふさわしいひと幕になりました。

 

歌舞伎座「三月大歌舞伎」初日開幕

 大間には祭壇がしつらえられました

 『芝浜革財布』は芝翫の政五郎に女房おたつは孝太郎、ともに初役ながら、息ぴったりの掛け合いが場内を沸かせました。浜辺で革財布を拾ったとたんに、商売そっちのけで朝から酒盛りする政五郎。苦労の絶えないおたつは、財布のことは夢だったと政五郎に思わせます。言葉を尽くし、自分を改心させようとするおたつの姿に、政五郎もついに心を入れ替えて…。心がほっと温かくなる幕切れで昼の部の打ち出しとなりました。

 41年ぶりの仁左衛門の喜兵衛、玉三郎のお六夫婦で見せる『於染久松色読販』。その日暮らしの莨屋(たばこや)の夫婦は、それぞれに百両の金の工面を思案しています。策を思いついたのは喜兵衛、死人を早桶から投げ出すと手際よく準備を進めます。ツケに合わせてきまった二人に客席も大喜び。油屋では片膝を立てて強請り始めたお六が、だんだん旗色が悪くなるにつれておとなしくなっていくのも面白く、最後は引込む二人を、お客様の笑顔が見送りました。

 

 強請に失敗してすごすごと引き揚げた二人が一転、粋でいなせな鳶頭と芸者として登場するのが『神田祭』。ほろ酔い機嫌の仁左衛門の鳶頭のもとへとやって来た、粋な芸者の玉三郎。舞台で寄り添い、見つめ合う二人にため息がもれます。二人が初役のときに付けられた振りで雰囲気たっぷり。お囃子に合わせた立廻りも粋で、花笠で若い者を軽くあしらう鳶頭の格好よさに拍手が続きます。見ているほうが照れるほどの仲のよさに、二人が恐縮しながら花道を去っていきました。

 

 玉三郎演出の『滝の白糸』。歌舞伎座では玉三郎が白糸を勤めて以来、37年ぶりの上演です。水芸の太夫白糸はひと目惚れした馬丁(べっとう)に、卯辰橋(うたつばし)のたもとで偶然に再会。壱太郎の白糸が華やかな水芸を見せますが、一座の看板をはる侠気や意気地は、男への一途な愛ゆえ、ひと場ごとに変わっていきます。その男、村越欣弥に松也。惚れた男の夢のために金を出すのは白糸の酔狂だったはず、しかし、希望をかなえた欣弥が白糸に求めたのは「清浄無垢の心」…。お客様の琴線に触れる幕切れで、初日の幕が降りました。

 歌舞伎座百三十年「三月大歌舞伎」は3月27日(火)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイトチケットホン松竹で販売中です。

2018年03月05日

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