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勘九郎、七之助が浅草で十八世中村勘三郎を偲ぶ

勘九郎、七之助、十八世中村勘三郎を偲ぶ集まりに登場

 

 

 10月30日(火)、台東区の隅田公園にある「平成中村座発祥の地記念碑」の前で、十八世中村勘三郎を偲ぶ集まりが開催され、中村勘九郎、中村七之助が登場、中村屋一門が顔をそろえました。

 11月1日(木)の平成中村座「十一月大歌舞伎」初日を前に、浅草で、十八世中村勘三郎を偲ぶ集まりが開かれました。会場となった山谷堀広場は、2000(平成12)年に平成中村座が初めて幕を開けた場所で、現在は「平成中村座発祥の地記念碑」が建てられています。

 

勘九郎、七之助が浅草で十八世中村勘三郎を偲ぶ

 ミニ提灯を手にした平成中村座のお茶子さんも、神輿を担いで登場しました!

 祭囃子の音色とともに現れたのは、2012(平成24)年5月の平成中村座『め組の喧嘩』で舞台に登場し、またその年の暮、勘三郎の葬儀の折にもこの地で勘三郎を見送った、三社祭の神輿です。賑やかなことが好きだった故人を偲び、平成中村座の公演を盛り上げようと用意されたこの神輿と、賑やかなかけ声で、隅田公園が一気に活気づきました。

 

 初めに、この集まりの主催者である冨士滋美浅草観光連盟会長より、「待ちに待った平成中村座が観音様の本堂の裏手で開かれます。こうして勘三郎さんの後を継ぐ人たちがいるということに、この七回忌追善の公演の意味があると思います」、続いて服部征夫台東区長から「多くの歌舞伎愛好家の皆様に、浅草へお越しいただき、在りし日の勘三郎丈を偲び、その功績に触れていただきたい」と挨拶がありました。

 

 勘九郎は、「今お神輿を見て、神輿に乗って、この浅草の地に父が帰ってきた気分がしました」と、父、勘三郎へ思いを馳せました。支えてくれた浅草の方々への感謝を述べるとともに、「こうして発祥の地といわれるのは、この平成中村座をもっともっと大きくして、ここが発祥の地なんだ、と人が集まってくれるようにしてくれと、というエールだと思っています。肝に銘じて一所懸命やりたいですね」と、平成中村座の11月公演への意気込みを述べました。

 

 「まる6年経ちましても、浅草の皆様の父への愛が本当に強いものだと感じます。11月の舞台で皆様に喜んでもらえることが、皆様への恩返しでもあり、父への孝行だと思っております。平成中村座は、歌舞伎俳優としての成長の場であり、芝居小屋自体もお客様の支えとともに進化しました」と七之助。平成中村座の開幕を告げる一番太鼓についても、「父への思い、感謝の気持ちを胸に臨みたい」と語り、2日後に迫った初日へ向けて気を引き締めました。

 

 会場には、平成中村座の文字と中村屋の紋である角切銀杏があしらわれた寄せ書き用のボードが用意され、勘九郎、七之助に続き、中村屋一門がそれぞれの思いを込めて名前を書き入れていきました。さらに、勘三郎を偲んで集まった浅草の皆さんも、名前を書き入れようと、ボードの前に途切れることのない列をつくりました。

 平成中村座「十一月大歌舞伎」は11月1日(木)から26日(月)まで、浅草寺境内 本堂裏 仮設劇場にて行われます。チケットは、チケットWeb松竹チケットWeb松竹スマートフォンサイトチケットホン松竹ほかで販売中です。

 

勘九郎、七之助が浅草で十八世中村勘三郎を偲ぶ

 思いのこもった寄せ書きボードは、平成中村座に飾られます

2018/10/30