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「新春浅草歌舞伎」出演者が語る意気込み

「新春浅草歌舞伎」出演者が語る意気込み
 

 

  2019年1月2日(水)から、浅草公会堂で始まる「新春浅草歌舞伎」に出演の尾上松也、中村歌昇、坂東巳之助、坂東新悟、中村種之助、中村隼人、中村橋之助、中村鶴松、そして中村錦之助が、公演への意気込みを語りました。

「新春浅草歌舞伎」出演者が語る意気込み

思いの詰まった「新春浅草歌舞伎」

 昭和55(1980)年以来、地元浅草の方々の応援を受け、若手が奮闘し歴史を紡いできた「新春浅草歌舞伎」。「もう40年という歴史を持つ公演でございます。あらためて、とても感慨深いものがございます」と話したのは、今年も若手の中心となって公演を率いる松也です。「平成最後の浅草歌舞伎、私たちが中心となって5年目ということもあり、ひとつ大きな節目になると思っております」と続けました。

 

「新春浅草歌舞伎」出演者が語る意気込み

  平成元年生まれの歌昇は、「平成生まれの若い世代で、平成最後の年の浅草を迎えられるということは節目だと思っています。松也のお兄さんは昭和ですけども」と冗談交じりに言い、メンバーの日頃の仲のよさが垣間見えました。加えて、「古典の歌舞伎を愛している人間として、この浅草の地で古典のお芝居で勝負できる」ことへ、感謝の念を表しました。

「新春浅草歌舞伎」出演者が語る意気込み

 巳之助は、来年は「皆が皆でお互いの演目に出あうということが、例年以上に盛んに行われる公演。ぜひ皆様にそういったところも楽しんでいただけたら」とアピールしました。さらに、もう一つのお楽しみとして、「出演者のいろいろな初役を見られる」ことを挙げました。自分自身も、「ほかの皆がいろいろな役にとり組む姿はすごく刺激になるし、それを間近で見られるということは浅草の大きなメリットの一つ」と話しました。

 

「新春浅草歌舞伎」出演者が語る意気込み

 「普段の大歌舞伎よりも上演時間が短い浅草で、4つ出させていただくということが貴重な経験」と新悟。今回は、昼夜合わせて4つの初役に挑戦します。「第一歩をこの浅草で踏み出せるということ。その一歩をお客様に観ていただける、そのうえクローズアップしていただくことができるというのは、非常に私としても勉強になる」と、熱い思いが伝わってきました。

 

「新春浅草歌舞伎」出演者が語る意気込み

 同じく今回の公演で4つの初役に挑戦する種之助は「さまざまなお役ですけれども、初日まで精いっぱい稽古するのはもちろん、初日以降も上を目指して挑戦していきたい」と話したうえで、「若手の登竜門である浅草歌舞伎ですが、若さだけでなく確かなものとなりますように稽古してまいりたいと思っております」と意欲を見せました。

 

久しぶりの顔もそろう来年の公演

「新春浅草歌舞伎」出演者が語る意気込み

 「今回、浅草歌舞伎が新しくなったと打ち出したときのメンバーがたくさんいらっしゃる」とうれしそうに話したのは、4年前に世代交代をしてから連続で出演している隼人です。浅草歌舞伎は、演目、宣伝、グッズ販売も含め、若手が「お客様のことをより考える公演」であり、今回は「平成で一番盛り上がったといわれるような公演にしたい」と意気込みました。

 

「新春浅草歌舞伎」出演者が語る意気込み

 今回2年ぶりに浅草歌舞伎に帰ってくる橋之助は、襲名後初めて橋之助として浅草歌舞伎へ出演します。「同世代の一人、メンバーの一人として入れていただくからには、少しでも爪痕を残せるように、先輩方が教えてくださったことを一所懸命勤めたい」と、頼もしく述べました。

 

「新春浅草歌舞伎」出演者が語る意気込み

 3年ぶりに浅草歌舞伎に出演する鶴松は、「子どもの頃からたくさんの先輩方が、浅草で勉強して成長していかれる姿を見ていたので、自分もそこにいけるように頑張って毎日必死に勤めたい」と、公演に向けた熱い思いを語りました。

 

 南座「當る亥歳 吉例顔見世興行」12月公演に出演中の梅丸からは、「毎年、諸先輩方とご一緒させていただき、大きなお役を勤めさせてもらっている舞台に、7年連続して出演できますことを、心より、ありがたく思っている次第でございます」と、コメントが寄せられました。

 

「新春浅草歌舞伎」出演者が語る意気込み

 3年連続出演の錦之助は、来年、還暦を迎える年男。「1に戻って、一番年下の気持ちで皆に交ざり、一つひとつ歌舞伎の勉強、古典の勉強をするために、今回も浅草に出させていただきます」と話しました。また、『番町皿屋敷』で後室真弓を勤めることについては、久しぶりの女方というで「新たな挑戦」と位置づけ、「皆からパワーをもらい、新しい世代につなげていきたい」と、抱負を語りました。

 

 今回の公演について、「今まで以上に団結力をもって、浅草歌舞伎を盛り上げたいという思いもあり、皆でいろいろ考えて相談しながら、とり組んできた」と松也。出演者一丸となってつくり上げる平成最後の「新春浅草歌舞伎」に、ますます期待がふくらむ会見となりました。

   浅草公会堂「新春浅草歌舞伎」は、2019年1月2日(水)から26日(土)まで。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹で販売中です。

2018/12/17