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白鸚、幸四郎が語る「松竹大歌舞伎」東コース

白鸚、幸四郎が語る「松竹大歌舞伎」東コース

 

 6月30日(日)から全国24会場で行われる、「松竹大歌舞伎」東コースに出演する松本白鸚、松本幸四郎が、公演について語りました。

白鸚、幸四郎が語る「松竹大歌舞伎」東コース

一期一会の舞台を

 3月・4月に行われた中央コースに引き続き、今年の東コースは松本幸四郎改め二代目松本白鸚、市川染五郎改め十代目松本幸四郎の襲名披露として行われます。

 

 白鸚はこれまでも全国公演に力を入れてきており、「歌舞伎座で歌舞伎をご覧いただくだけでなく、(お客様の)お近くまで行って、歌舞伎をお見せすることも、歌舞伎役者の勤めだと思っています」。その言葉の通り、幸四郎だった平成22(2010)年、「松竹大歌舞伎」東コースの茨城県での公演をもって、『勧進帳』の武蔵坊弁慶を全国47都道府県で上演することを達成。今回の公演についても、「ところによっては1回限りのお目見得ですので、全身全霊を込めて、一期一会の舞台を勤めたい」と、思いを込めました。

 

 幸四郎も、「父とともに、我々の初めの一歩を多くの方に見ていただきたい。本当に、一日一日の公演ですけれども、その公演で歌舞伎に興味をもっていただくという、とても大事な責任を担っている興行だと考えている」と真剣な面持ちで語りました。

 

白鸚、幸四郎が語る「松竹大歌舞伎」東コース

上演される3演目

 今回上演されるのは、『襲名披露口上』、『引窓』、『色彩間苅豆(いろもようちょっとかりまめ) かさね』の3演目。幸四郎はすべての演目に出演します。

 

 『引窓』では、白鸚の濡髪に、幸四郎が南与兵衛後に南方十次兵衛を勤めます。白鸚は、「私は、人間はひとつ間違えたら、濡髪みたいなことがあるのではないかと思っています。自分自身の心のなかにも揺れる動きが、生きているといろいろなことがありますので、濡髪のそういう心情を加味しながら、昔の趣のある芝居、濡髪を演じたい」と述べました。幸四郎は、「私自身が大好きな演目ですし、ゆかりのあるお役。父の濡髪を相手に勤めること、そしてその二人で襲名披露ができること、本当に幸せに思っております」と話したうえで、曾祖父初代吉右衛門も勤めてきた作品だと触れ、「こういう役ができるようになることは役者としての目標だと思っています」。

 

 続く演目は『色彩間苅豆 かさね』。幸四郎は、与右衛門を勤めます。「与右衛門はとても冷酷な男。ぜひそのドラマ、男女の関係性が色濃く出るように、そして、冷たさや、悪が色気につながるような役を演じることができれば」と意気込みました。また、今回かさねを演じる猿之助については、「今年は一緒に多くの舞台に立っているので、会う機会が多いです。とても刺激になりますし、尊敬する役者さんなので、是非、この一回一回の公演が、内容色濃く、自分自身も興奮してできるような時間になればと思っております。猿之助さんとのこの『かさね』が、ぜひコンビと言われるように勤めたい」と、続けました。

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 「松竹大歌舞伎」東コースは6月30日(日)から7月31日(水)まで、全国24会場で開催。チケットの詳細は公演情報のお問い合わせでご確認ください。

2019/05/27