インタビュー・文・富樫佳織、構成・栄木恵子（編集部）

　四季折々の自然や花鳥風月に特別な想いを抱いて生きてきた私たち日本人。
　その美意識は「文様」という美的パターンに凝縮され、暮らしを彩ってきました。
　舞台に散りばめられた文様の意味やルーツを知れば、歌舞伎をもっと楽しめるはず。

　東京藝術大学先端芸術表現科で教鞭をとり、唐草模様の誕生とデザインの変容を綴った「唐草抄」の作者でもある伊藤俊治教授と歌舞伎の美しさを探訪します。

　前回に引き続き歌舞伎の大道具方である十七代・長谷川勘兵衛さんを訪ねての対話から、文様に込められた役者と道具方との息の合った舞台創り、受け継がれる文様の美を紐解きます。