インタビュー・文 富樫佳織、写真 大河内禎、構成 栄木恵子(編集部)

 四季のある日本は折々の風景を文様に託し、衣服や空間を飾ってきました。
時の流行やニーズによって新しい文様が生まれ、人々に愛されていく。
歌舞伎俳優の着る衣裳は、庶民文化が花開いた江戸でまさに最先端モードでした。役者格子や色鮮やかな帯、半襟…歌舞伎は常に新しいビジュアルを貪欲に取り入れ、文様が続々と生まれる。それは今も変わることがありません。

 今回は現代劇やオペラの舞台衣裳をはじめ『コクーン歌舞伎 三人吉三』や『野田版 研辰の討たれ』など話題の作品の衣裳を手がけ続けてきたコスチューム・アーティストのひびのこづえさんと東京藝術大学先端芸術表現科教授の伊藤俊治さんとの対談です。

 8月の納涼大歌舞伎で上演された最新作『野田版 愛陀姫』の衣裳製作秘話も交え、コンテンポラリーの世界で活躍してきたひびのさんが、歌舞伎の仕事を通して再発見した文様の魅力、衣裳の力について伺いました。

  • 其の一恋文をまとう“紙衣”という発想
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  • 其の二和事衣装の色が物語るもの
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  • 其の三文様が語る細やかな心情
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  • 其の四『伊万里色絵花文六角腰瓦』
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歌舞伎文様考

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