歌舞伎いろは

【歌舞伎いろは】は歌舞伎の世界、「和」の世界を楽しむ「歌舞伎美人」の連載、読み物コンテンツのページです。「俳優、著名人の言葉」「歌舞伎衣裳、かつらの美」「劇場、小道具、大道具の世界」「問題に挑戦」など、さまざまな分野の読み物が掲載されています。



シアターコクーン 「渋谷・コクーン歌舞伎第十四弾」  『三人吉三』 知っているともっと面白くなる!

ようこそ歌舞伎へ 尾上松也

即興芝居で雰囲気をつかむ

 ――お稽古場などはどういう雰囲気でしょう。

 即興芝居をしたり、自分たちのアイデアを出したり、気付いたことをその場で話します。串田監督から、どうかと尋ねられることもあります。監督が気に入られたら、それをどんどん芝居に取り入れていく。みんながやりがいをもってやっている現場じゃないですか。

 ――即興芝居ではどんなことをされるのですか。

 庶民の暮らしを理解して雰囲気づくりをするために、長屋の風情を即興でつくってみようというようなことです。3組か4組に別れて、当時の深川にいた大工、鰹売り、鰯売り、シジミ売りなどの職業や性別、年齢を自分で設定します。それで組のほかの人たちとどういう関係性にするか、どういうお芝居にするかを打ち合わせ、順番に発表します。各自が持ち寄った打楽器で音を奏でて効果音にもしています。庶民の生活からいかに三人が浮いた存在であるかを出したいんです。

シアターコクーン 「渋谷・コクーン歌舞伎第十四弾」

平成26年6月6日(金)~28日(土)

公演情報

『 三人吉三 』さんにんきちさ

和尚吉三 中村 勘九郎
お嬢吉三 中村 七之助
お坊吉三 尾上 松 也
十三郎 坂東 新 悟
おとせ 中村 鶴 松
海老名軍蔵/八百屋久兵衛 真那胡 敬 二
太郎右衛門/長沼六郎 大森 博 史
堂守源次坊 笈田 ヨ シ
土左衛門伝吉 笹野 高 史
研師与九兵衛 片岡 亀 蔵

コクーン歌舞伎『三人吉三』の一人になる!

 ――コクーン歌舞伎にも『三人吉三』にも憧れていらしたとうかがいました。

 前回のコクーン歌舞伎の『三人吉三』(平成19年6月)を拝見したときから、コクーン歌舞伎に出ること、勘九郎さん、七之助さんと三人で『三人吉三』を演じることを目標にしておりました。

 十三郎の勘九郎さん、おとせの七之助さんが、いつかきっとコクーン歌舞伎で『三人吉三』をやる日が来る。それにはもう一人の吉三が要る。そこにどうしても加わりたい、そのときまでに自分が声をかけていただけるようになろう、努力しよう、頑張ろうとずっと思っていました。

 ――そして今回、望んでいらっしゃったようになりました。

 お坊を松也でと思ってくださった串田監督のお気持ちにはぜひとも応えたいです。プレッシャーはありますが、お客様をいい意味で裏切ったり、驚きを与えたりしたい。

 普段の歌舞伎のお芝居は、演出家がなく、先輩にお聞きして、そのとおりに勤めるのがセオリーです。でも今回は、串田監督が演出としてついていらっしゃる。とにかく監督についていこうという気持ちです。

 ――いろいろ目標を立てられるのですね。

 今も目標がいくつもありますし、達成されれば、また次が出てくると思います。基本的には達成されるまでは他人には言いません。ほかに達成されたものの一つに、以前から出たかったミュージカルへの出演があります。『ボクの四谷怪談』(蜷川幸雄演出、平成24年9月シアターコクーン)への出演が大きなきっかけになりました。

 まずは蜷川先生からお話をいただいたことが、非常に光栄でした。同時に歌があると聞き、先生の舞台は、いろんな人が見に来られる、その方たちに出て欲しいと言われるようにしたい、というのが思惑としてありました。それが『ロミオ&ジュリエット』(小池修一郎潤色・演出、平成25年9月東急シアターオーブほか)への出演につながりました。

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