公演情報詳細
関西・歌舞伎を愛する会 結成四十周年記念 | ||
七月大歌舞伎 |
当公演は終了いたしました。
2019年7月3日(水)~27日(土)
劇場:大阪松竹座
料金(税込)
- 一等席17,000円
- 二等席9,000円
- 三等席6,000円
演目と配役
昼の部
香川登枝緒 作
米田 亘 補綴
わかぎゑふ 演出
一、色気噺お伊勢帰り(いろけばなしおいせがえり)
左官喜六 喜六女房お安 大工清八 遊女お紺 清八女房お咲 うわばみの権九郎 旅芸人の座長万平 万平女房お千 遊女お鹿 家主庄兵衛 油屋女将おかつ | 鴈治郎 扇雀 芝翫 梅枝 壱太郎 隼人 寿治郎 吉弥 猿弥 彌十郎 秀太郎 |
二、厳島招檜扇(いつくしままねくひおうぎ)
日招ぎの清盛
平相国清盛 内大臣宗盛 三位中将重衡 祇王 小松三位維盛 瀬尾三郎兼経 仏御前実は源義朝息女九重姫 | 我當 進之介 萬太郎 壱太郎 中村福之助 松之助 時蔵 |
三、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
渡海屋
大物浦
渡海屋銀平実は新中納言知盛 女房お柳実は典侍の局 源義経 入江丹蔵 武蔵坊弁慶 相模五郎 | 仁左衛門 孝太郎 菊之助 猿弥 彌十郎 鴈治郎 |
夜の部
一、芦屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)
葛の葉
女房葛の葉/葛の葉姫 安倍保名 信田庄司 庄司妻柵 | 時蔵 萬太郎 松之助 吉弥 |
関西・歌舞伎を愛する会 結成四十周年記念
二、弥栄芝居賑(いやさかえしばいのにぎわい)
道頓堀芝居前の場 |
仁左衛門 時蔵 扇雀 孝太郎 菊之助 梅枝 萬太郎 壱太郎 隼人 橋之助 中村福之助 猿弥 竹三郎 進之介 彌十郎 芝翫 鴈治郎 秀太郎 |
川村花菱 作
大場正昭 演出
三、上州土産百両首(じょうしゅうみやげひゃくりょうくび)
正太郎 牙次郎 宇兵衛娘おそで みぐるみの三次 亭主宇兵衛 勘次女房おせき 金的の与一 隼の勘次 | 芝翫 菊之助 壱太郎 橋之助 猿弥 吉弥 彌十郎 扇雀 |
みどころ
昼の部
一、色気噺お伊勢帰り(いろけばなしおいせがえり)
間の抜けた左官の喜六と二枚目の大工清八は、お伊勢参りから大坂への帰り道に、精進落としと称して、古市の油屋で廓遊びをしてから家路に着きます。その道すがら、日頃から女房お安の尻に敷かれている喜六は、お安にやきもちを焼かせるため、清八に「喜六が油屋一番の遊女お紺に惚れられて困っていた」とお安に伝えてほしいと頼みます。実は、お紺は清八の相手だったのですが、情に厚い清八はこれを引き受け、長屋に帰ると、言葉巧みに語り、お安を煙に巻くのでした。しかし、お紺が清八の前に現れて…。
喜六と清八、そしてお安の軽快なやりとりがみどころの、松竹新喜劇の名作を歌舞伎として新たに再構成した舞台をお楽しみください。
二、厳島招檜扇(いつくしままねくひおうぎ)
栄華を極めた平清盛は、厳島神社で開催される遷座の式を差配します。一同が祝いの言葉を述べ、仏御前と祇王が奉納舞を踊るところ、突然、仏御前が清盛に斬りかかろうとしたので、清盛はこれを檜扇で撃ち落とします。一方、今宵が遷座にも関わらず、大経堂の修理が間に合っていないことを知った清盛は、中国の故事を引き合いに出し、祈りとともに檜扇で西海に入ろうとする夕日を招きます。すると不思議なことに夕日が昇り始め、一同は清盛の威勢に驚くのでした。
歌舞伎の様式美にあふれた豪華絢爛なひと幕をご堪能ください。
三、義経千本桜(よしつねせんぼんざくら)
兄、頼朝の追手から逃れるため九州へ向かう義経一行は、大物浦の船問屋である渡海屋で船出を待っています。そこへ鎌倉方の追手の相模五郎と入江丹蔵が現れ、船を出すように迫りますが、渡海屋の主人銀平と女房お柳に追い返されます。まもなく船出の時刻となり、義経は家臣と共に渡海屋をあとにすると、鎧姿の銀平が現れます。実は銀平は壇ノ浦の合戦で死んだはずの平知盛。女房お柳は典侍の局、娘お安は安徳帝であり、義経を待ち伏せしていたのです。知盛は船出した義経一行を襲いますが、返り討ちにあってしまいます。典侍の局は義経に帝を託して自害すると、それを見た知盛も体に碇綱を巻きつけ、壮絶な最期を遂げるのでした。
平家再興を願った武将の末路を描いた、重厚感あふれる義太夫狂言屈指の名作にどうぞご期待ください。
夜の部
一、芦屋道満大内鑑(あしやどうまんおおうちかがみ)
陰陽師の安倍保名に命を救われた白狐は、保名の許嫁である葛の葉姫に化けて夫婦となり童子という子をもうけます。しかしある日、本物の葛の葉姫とその両親が訪ねてきたことで、葛の葉は身を引く決心をします。そして葛の葉は、泣く子をあやしながら、家の障子に「恋しくばたづね来てみよ和泉なる 信田の森のうらみ葛の葉」という歌を書き残して、古巣の信田の森へと帰って行くのでした。
信田の森の葛の葉狐の伝説と安倍晴明の伝説をもとにした、早替りなどの技巧に富む親子の情愛あふれる作品です。
二、弥栄芝居賑(いやさかえしばいのにぎわい)
浪花の名所、五座の櫓も華やかな芝居街道頓堀。幹部俳優達が一堂に並び、関西・歌舞伎を愛する会 結成40周年を寿ぎ、歌舞伎の末永い繁栄を祈念し、これを祝います。
歌舞伎らしい、華やいだ雰囲気に満ちたひと幕をお楽しみください。
三、上州土産百両首(じょうしゅうみやげひゃくりょうくび)
すりの子分の正太郎は、ある日、ドジだが愛嬌のある幼馴染の牙次郎と再会します。すりの性で思わず、牙次郎の財布をすった正太郎でしたが、家に帰ってから自分の財布もすられていることが分かり、牙次郎もすりだと気付きます。そこへ牙次郎が訪ねてきて正太郎に詫びを入れ、互いに足を洗おうと意見します。これに同意した正太郎は、世話になった与一の元を離れ、牙次郎と10年後の再会を約束します。時は流れて10年後、上州館林の料亭で板前となった正太郎は、放浪の身の与一と三次に再会します。正太郎は旅の資金として金を差し出しますが、与一はそれを断ります。しかし、三次が金をねだり短刀を抜くので、正太郎も包丁で身構えるのでした。一方、牙次郎は岡っ引きの勘次の子分になっていましたが、未だに手柄がなく、今夜こそ100両がかかった罪人を捕まえたいと願掛けしています。そして、今日は満願の日。遂に再会を果たす二人でしたが…。
悲しい結末を辿る皮肉な運命の中に描かれた、男の友情が胸を打つ作品です。
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