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背景をよくみると、そこには・・・

浅草歌舞伎チラシポスタービジュアル

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 浅草歌舞伎のポスターチラシのデザインが公開されました。

 これまで、革ジャンの素顔、雷門前で扮装などさまざまなアイデアで話題を振りまいた浅草歌舞伎のチラシ、今年は、紋付の俳優たちが、錦絵の中に勢ぞろいしました。

 浅草といえば花形が大役に挑む興行としてすっかりおなじみとなりました。客層も俳優にあわせ、ぐっと若返り、普段歌舞伎座に足を運ばないようなお客様にも、気軽に楽しんでいただいております。若者をひきつけた要因の一つが、斬新なチラシポスタービジュアル。素顔の俳優が登場するビジュアルは、浅草歌舞伎の顔ぶれの新鮮さをアピールし、歌舞伎を演じている俳優たちも素顔は現代の若者であるという点で、若い年代に親しみやすさをアピールしました。

 今年のビジュアルは、素顔の流れを引き継ぎつつ、洋服でなく紋付です。和ブームと呼ばれ、伝統的なものへの興味が高まっているなか、日本男子の盛装である紋付羽織袴姿の彼らが目を引きます。もちろん写真はこのポスターにあわせ撮りおろしたもの。素顔は現代青年でも、紋付を着ると凛々しさ倍増です。

 今回のコンセプトを言葉にすれば、江戸と現代の融合、楽しい江戸へようこそ。といったところでしょうか。

 背景に使われている絵は、歌川広重の「名所江戸百景」のうちの「浅草金龍山」。雷門から見た雪の浅草寺を描いた傑作で、よく知られた作品です。江戸時代から変わらない浅草の賑わい、風景、江戸の錦絵と現代の浅草は、歌舞伎がそうであるように江戸時代から連綿と続いているもの。その象徴としての錦絵の世界に、現代の彼らが登場しています。

 錦絵に描かれた雷門の前に集合した彼らが、お客様を背景にひろがる江戸の浅草、錦絵の浅草を案内するというイメージで作成いたしました。歌舞伎ももちろん江戸の世界。現代人の彼らが浅草公会堂で歌舞伎を演じ、お客様を江戸の世界にいざなう意味がそこに重ねあわされています。

 ところで、背景を良く見ると、絵の中に不思議な人たちが・・・。よくよく見れば浅草歌舞伎の出演者が、洋服姿で浅草寺の大屋根や五重塔で戯れています。誰がどこにいるか探すのもお楽しみの一つですが、お遊びといえどもも、過去と現代の融合というコンセプトに則っています。

 江戸の錦絵の世界で、私服の彼らが雪遊びに興じているように、堅苦しいと思われがちな歌舞伎を、気軽に現代感覚で楽しんでもらいたい、江戸の錦絵の世界、歌舞伎の世界へ案内、といっても、決してかたくるしくないものではないのだというメッセージがこめられているのです。

 ところで、トリビアを一つ。現代の浅草寺の五重塔は、雷門から本堂を見て左手にあります。ところが絵の中では五重塔は右手にみえます。裏焼きでも広重の間違いでもありません。江戸時代の五重塔はこの位置にあり、昭和48年、現在の位置に再建されたのです。

2006年12月04日

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