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萬次郎『みんなの歌舞伎』開催

 『みんなの歌舞伎 - KABUKI for Everyone』(平成18年度文化庁芸術団体人材育成支援事業)が3月28日(水)に国立劇場大劇場で開催されます。

市村萬次郎『みんなの歌舞伎 - KABUKI for Everyone』

 『みんなの歌舞伎』は1992年『外国人のための歌舞伎教室』として始まり今年で15年目。2001年からは、広く日本の方にも見ていただきたいという思いから『みんなの歌舞伎』と題も改まりました。
「楽しく歌舞伎を見て、世界に日本の文化を英語で紹介してみよう!」と、日本語での判りやすい解説の後に、英語での解説が続く、他では体験できない貴重な内容になっています。
公演に先立ち、主催の市村萬次郎さんにお話をうかがいました。

  『KABUKI for Everyone』では、外国の方しか見られないのでは…という誤解もあったので、『みんなの歌舞伎』と題名を改めさせていただいたんです。2年前からは、文化庁の人材育成支援事業となり、これから育っていく俳優・長唄さんたちの活躍の場にもなっています。観客の皆さんにも子供の頃から日本の芸能に親しんでいただき、我々と一緒に文化を育てていく…見ていただく場を作り出して、普段あまり古典に接しない方たちにも“入門編”として親しんでもらえればと考えています。

 外国の方には、単に歌舞伎を教育的に伝えるだけではなくて、日本に親しみを持ってもらう。そして、歌舞伎を窓口にして日本の文化に興味をもっていただく、ということを考えて、海外公演も数多く行って参りました。たとえば、バルト3国で歌舞伎公演を行った後に、日本語を勉強しようとする学生さんの数が普段より増えたりとか、日本の文化に興味を持って色々なものを調べてみたい学生さんが増えたりと、大使館の方からもうかがっていて、非常に嬉しく思っています。

 今回の公演で『藤娘』を踊りますが、今までの海外公演の経験を生かして、国立劇場の舞台をオペラハウスに見立て、奥行きの有るオペラハウスで上演したような形での道具作りを考えているんです。普段、歌舞伎座などで上演するような、横に広く、真ん中に大きな松の木があって藤が下がっている、というのではなくて、舞台の間口をちょっと狭くして、藤を何重かにして、奥行きの有るような舞台を考えています。

 というのも、外国では、どんな場所で上演するのかわからずに、現地で舞台をつくる場合がとても多いんです。やる以上は日本を背負っている責任もあるので、何とかそれなりの舞台を作らなくてはいけない。その中で苦労してその場その場で道具を作ってきた経験から、奥行きのある舞台を作っても、日本というものを崩さずに、古典的なものを表現することができる…その面白さを、なんとか表現したいと思って、今回、国立劇場ですが、あえてそういう舞台にしようと思っているんです。

 海外公演では、訳せない言葉が非常に多いんです。
 例えば、台湾で『仮名手本忠臣蔵 七段目』を行ったとき、“一力茶屋”の“茶屋”というのは訳がちょっと出来ないですよね。“teahouse”と訳したりしますが、意味がちょっと違うでしょうし、“遊女”も文化背景が違うので、“call girl”ともまたちょっと違うわけです。説明を延々とつけることはできるかもしれないですけど、短い文章を訳すというのは一番苦労するところです。
 ですから訳は、非常に優しい言い回しをして、初めて見る方が飛びつきやすいような形にしたいと思っています。結果として、興味をもたれた方はご自分で調べていきますし、まずは、舞台そのものを理屈抜きで味わっていただくのが大切です。例えば『仮名手本忠臣蔵 十一段目』の立ち回りは「雪の中で武士と武士が必死に戦う様子をご覧下さい」、とか、そういうやさしい言い回しです。いろいろ試しましたが、結局どんどん簡素にしていくのが良いようです。

 公演は、最初に歌舞伎の見方・ツケ打ちから立ち回りについて紹介。次に長唄の三味線音楽と鳴物の紹介、その後『鬼一法眼三略之巻-五条橋の場』『藤娘』の上演。解説は、まず簡単な日本語の説明をして、すぐ英語で説明を続けます。
 今年は萬次郎さんにとって、父・十七代目市村羽左衛門の七回忌にあたり、「父が演じた五条橋の弁慶を国立の舞台で行える事は非常に有難い」と。また、これからどの国で公演を行いたいですかという質問には「南極大陸のペンギンの前以外なら、どこへでも(笑)」とおっしゃっていました。

 15年の節目にあたる『みんなの歌舞伎 - KABUKI for Everyone』。外国の友人に歌舞伎を紹介したり、初めて歌舞伎に触れるチャンスになったり、と大変貴重な公演で見逃せませんね。

■公演日程・開演時間
 平成19年3月28日(水)
 午後1時/午後6時半開演(二回公演)

■会場
 国立劇場 大劇場

■観劇料(全席指定)
 大人 5,000円、こども 2,500円

■お問い合せ・お申し込み(10:00am~5:00pm)
 電話:03-5420-4520 FAX:03-3447-3507

2007年02月22日

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