橋之助『憑神』への意気込み

憑神舞台稽古

▲ 左から、葛山信吾、鈴木杏、中村橋之助、野川由美子


  新橋演舞場9月、大阪松竹座10月、2ヶ月連続で上演される、浅田次郎原作の娯楽時代劇『憑神』。初日前日の9月3日、通し舞台稽古が行われ、中村橋之助、鈴木杏、葛山信吾、野川由美子らが意気込みを語りました。

中村橋之助―――
 おかげさまで一ヶ月間、いい稽古ができました。
 去年の『魔界転生』に続いて、こうやって2年目の舞台が迎えられ、今年はさらにG2演出の持ち味がたっぷり堪能できる舞台になっています。
 上手と下手にある2つの廻り舞台をくるくる回して、暗転や道具転換に時間を割かずに、幕末の時代をどう生きようかと悩む青年武将・別所彦四郎が神様たちに翻弄されていく様子を表すのですが…
 実は、やってる方も、どの場面をやってるんだか分からなくなって…本当に翻弄されている感じです。目がくるくる回って(笑)

鈴木杏―――
 今は緊張しているんですけど、楽しみでワクワクもしています。お客さんが入ってくださってできるという感覚を早く味わいたいなぁっていう気持ちでいっぱいです。
 今回は年上の方ばかりで、新橋演舞場やG2さんも初めてで、最初はヒヤヒヤしていたんですけど、みなさんとすごく仲良くさせていただいて、毎日が楽しい稽古でした。

野川由美子―――
 明日は、きっと良い初日があくと思っています。チームワークはバッチリ。2ヶ月公演でございますので、仲良くがんばっていきたいと思っています。

葛山信吾―――
 初めての通し稽古でかなり不安ですが、本当に楽しんでやりたいなと思っております。
 セリフでは初めて話す言葉やイントネーションが難しくて、時々フッと出てこなくなったりするのですが、頑張っていきたいと思います。


2ヶ月間の公演、見どころ―――

橋之助―――
 今月は新橋演舞場、来月は大阪松竹座。苦しい事もあるでしょうが、おかげさまで、スタッフ全員本当にいい感じなんです。それが少しでも舞台を通して、お客様のほうに出てほしいな、という思いです。
 浅田次郎先生の原作って、大変おもしろい作品ですからね。先生の原作を汚すことなく、多くの皆さんに見ていただきたい。
 貧乏神・疫病神・死神、実は嫌な神様がいないんです。みんなそれぞれ忘れかけていた、大切な人の心や、やさしさを持っていたり。
 神様たちとお別れする場面では、なんか不思議な感情が出てくるんですよ。胸の奥がキュンとなるような…そんな作品です。このお芝居をご覧いただけたら、次の日とても心が温かくなるんじゃないかなっていう気がします。

 困ったときの神頼み!とばかりに手を合わせると、憑いた神は、神は神でも人に災いをもたらす憑神さまだった!幕末の江戸を舞台に、涙と笑いと人情たっぷり、まっすぐな人間と神様たちのものがたり!
 2つの廻り舞台でスピード感あふれる楽しい舞台『憑神』。ぜひお楽しみください。

2007/09/04