富十郎、文化功労者の喜びを語る

10月28日、2008年度の文化功労者が発表され、その一人として選ばれた中村富十郎が、喜びやこれからの目標について語りました。
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大変ありがたいことと思っております。(二代目尾上)松緑兄さんや、(六代目中村)歌右衛門兄さんをはじめ、諸先輩、親、そして皆様のおかげと感謝しております。
父と一緒になって戦火から逃れたこと、学校時代からの友人の支えなど、文化功労者に選んでいただいたことで色々な事が思い出されます。これからも若い人たちに色々な事を伝えていきたいと思っておりますし、私も来年で80歳になるので、改めて初心にかえって勉強していきたいと考えております。
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最も印象に残っている舞台をあげるとすれば、『二人椀久』でしょうか。母と踊った事もあり、その後、雀右衛門兄さんとご一緒に興行で何度となく踊らせていただき、パリでも上演させていただきました。私は最初、上手く踊れなかったのですが、回を重ねるうちに、段々と思い出深い舞台になりました。芸というのはなかなか自分の思い通りにいかないと感じています。
来月、歌舞伎座で『船弁慶』の義経を勤めさせて頂きます。平成15年に一世一代で静と知盛の霊を勤めさせて頂きましたが、途中体調不良から三日間休演いたしました。その時に代役を勤めて下さったのが、今回、静と知盛の霊を演じられる菊五郎さんです。
12月は、同じく歌舞伎座で『名鷹誉石切』に出演させていただきます。
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「長生きも芸のうち」という言葉があります。この歳になっても、「先輩の言っていた事はこういうことなんだ」と、ハッと気がつくことがあります。古典の芸をつかむのはそれだけ難しいことです。だからといって、そのままが現代に通用するとは限りません。それを元にして新しいものを造り出さなくてはいけません。
来年は80歳。自戒して自分の歳にあった動きをしながら、先輩方に教えて頂いた知識を十分活して舞台を勤め、それをまた後輩たちに覚えてもらう。そういうことが大切な事だと思います。
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歌舞伎座百二十年 吉例顔見世大歌舞伎
歌舞伎座百二十年 十二月大歌舞伎
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