愛之助 「永楽館大歌舞伎」への思い

 「永楽館大歌舞伎」に出演する坂東薪車、片岡愛之助、中村壱太郎(左から)

 8月4日~11日、永楽館(兵庫県豊岡市出石町)で「永楽館大歌舞伎」が上演されます。上演に先立ち片岡愛之助が公演への意気込みを語りました。

 今回は、時代物、世話物、舞踊と歌舞伎の色々な面を見ていただける演目が揃いました。前回はこけら落としという事もあり、舞踊二題と口上でしたので、出石の皆さまから今度はお芝居をというご要望をいただいており、そういう点でもバランスのとれた内容になったと思います。

 『弁天娘女男白浪』は、永楽館から強い希望のあった演目で、私も以前から興味がありましたので今回やらせていただけるのをたいへんありがたく思っております。歌舞伎をあまりご存知でない方にも、『知らざあ言って・・』のセリフで有名なこの作品は、歌舞伎らしさをより感じていただけると思いますので、音羽屋(尾上菊五郎)のおじさんに教えていただいて一生懸命勤めたいと思っています。日本駄右衛門に(中村)翫雀兄さんが出て下さるのもうれしいですし、気心の知れた(市川)男女蔵さんの南郷とのやり取りの中で江戸の雰囲気が出せればと思っています。

 『車引』は、祖父の十三世仁左衛門や父や叔父が何度も演じており、私もこれまでいろいろな役で出させていただきましたが今回梅王丸を初役でやらせていただきます。永楽館のまさに芝居小屋という空間の中で映える演目だと思います。今回は上方式の演出で、同じく初役の(中村)壱太郎さん(桜丸)、(坂東)薪車さん(松王丸)と3人のチームワークで暑さに負けない熱気のある舞台をお見せしたいです。

 永楽館歌舞伎が恒例となり、歌舞伎を初めてご覧になる方にも歌舞伎のいろいろな面を知っていただき、他の劇場にも足を運んでいただけるきっかけになればありがたく思います。休演日に歌舞伎にふれていただく鑑賞教室のようなものも企画していますので、壱太郎さん・薪車さんにふだん見られない歌舞伎の裏側を見せてもらい、できれば子供たちに舞台に上がって何か演じてもらって、将来歌舞伎ファンになっていただけるような環境を作れれば尚うれしいですね。

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2009/05/31