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竹三郎「喜寿記念 坂東竹三郎の世界」への思い

竹三郎『喜寿記念 坂東竹三郎の世界』への思い

 大阪松竹座六月公演「喜寿記念 坂東竹三郎の世界」懇親会が行われました。
 松竹新喜劇の名作に、歌舞伎の怪談物、そして舞踊と、坂東竹三郎の魅力の全てをご覧いただくこの公演にかける意気込みを坂東竹三郎がたっぷり語りました。

 このたびは私の喜寿記念ということで「坂東竹三郎の世界」というタイトルまでつけていただきまして、うれしいような怖いような、非常に責任重大だと思っております。長年役者をやっておりますが、これまでは脇に回って主役の方々をお手伝いする役目をさせていただいていましたのに、今回はこのような公演をさせていただけますのは非常に心苦しくもありがたく、私の集大成のつもりで勤めたいと思っております。

『名物喧嘩茶屋』について
 松竹新喜劇の『お種と仙太郎』のタイトルで有名なこの作品は、藤山(寛美)先生が姑のお岩を演じて有名ですが、私はずっと藤山先生のお芝居を拝見していながら、この作品だけは生で拝見できていなかったんです。藤山先生の女方をずっと拝見したかったのですが、実際に拝見できたのは、ビデオでした。でも、拝見したとたんに、もう、魅入られてしまいましてね。歌舞伎の女方にでもできるかもしれない、と思って、これをやってみたい!というのがそれ以来私の念願だったんです。今回、せっかくこういう機会をいただいたので、何か変わったことができないかと考えた時に、すぐにこれが思い浮かんだんです。このお芝居は「嫁いびり」がテーマですが、ただの意地悪婆さんではなくて・・・やってることは意地悪婆さんなんですが(笑)、ただ、かわいい息子が嫁に取られて八つ当たりしてしまう、というお話なんですね。本来の私の性格とは全く違うんですけど(笑)。でも、それからまたビデオを改めて拝見しましたら、見れば見るほど素晴らしいのでだんだん自信がなくなってたんですが、今回は大津嶺子さんや、松竹新喜劇の方々が助けて下さるので心強いですし、私はニンも姿形も違いますが、やるからには藤山先生に、その足下にでもなんとか近づければと思っています。

『怪異 有馬猫』について
 昭和40年8月に中座で一度させていただきました。『鏡山(加賀見山)』のパロディで、当時の私は、普通にやってもダメだと思ったのでいろいろ工夫をしました。その一つが、化け猫になってから池の鯉をつかまえる場面で生きた鯉を使ったことです。夏休みだったので、親子連れも多かったんですが、子供さんが喜んで、糸で釣ってるんじゃないかと思って一番前でいつもじーっと楽しんで見てくれたのを覚えています。
 今回も生きた鯉を使う予定です。当時は黒門市場で鯉が売られてたんですよ。鯉の滝のぼり、というくらいですから元気だと思ってましたら、二日目くらいで弱ってしまったんです。でも、25日間の興行でしたから、当時、道頓堀で釣り堀が流行ってたんですが、そこへ大道具さん達が大勢で釣りに行って何匹も釣って来てくれたんですよ。でも釣り堀の鯉ですから、咥えようとしたら、鯉の顔が白くなってたり、傷がついていたりして、化け猫役の私の方が顔を近づけるのが怖かったんです(笑)。

『道頓堀歌舞伎賑』について
 薪車と竹朗が『お祭り』を、東山村流の門弟に<大和楽三題>を。そして壱太郎さんが『櫓のお七』を踊ってくれることになりました。私は最後にご挨拶をさせていただきます。

 大阪は厳しいところですが、同時にすごく温かい町です。今回は節目でもありますし、生まれ育った大阪で、お客様に楽しんでいただくことができますよう、精一杯勤めさせていただきますのでよろしくお願いいたします。

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竹三郎『喜寿記念 坂東竹三郎の世界』への思い

2009年05月19日

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