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勘三郎、串田和美が語る渋谷コクーン歌舞伎第十一弾『佐倉義民傳』

勘三郎、串田和美が語る渋谷コクーン歌舞伎第十一弾『佐倉義民傳』

 渋谷コクーン歌舞伎第十一弾『佐倉義民傳』が6月3日(木)~27日(日)Bunkamuraシアターコクーンで上演されます。下総佐倉の領主の圧政に苦しんだ領民の為に、名主木内宗吾が命を懸けて将軍に訴え国と民を守るこの作品は、家族と別れ、決死の直訴などドラマティックな展開で観客の心を打つ感動作です。この歌舞伎の名作を今回初めてコクーン歌舞伎で上演、木内宗吾を演じる中村勘三郎が決死の男の生き様を描き、串田和美によって今までにない『佐倉義民傳』が演出されます。公演に先立ち、中村勘三郎、串田和美(演出・美術)が公演への想いを語りました。

串田和美
 コクーン歌舞伎では久しぶりの新作、そして演目が『佐倉義民傳』に決まり実は僕もビックリしております。性分として難題を突きつけられると「よし」という気持ちが湧くものですから、決まってからは本や資料を何度も読み返しています。これは面白い物になると改めて気づきましたので、この物語を21世紀の今に成立させる新しい表現方法を見つけるのが今とても楽しく、そして気持ちも燃えています。

 「義民」という言葉は今の人には馴染みがないと思いますが、ぜひこういう言葉を知っていただきたいと思いますし、古い表現ではなく、新しいものとして若い人にも観て感じていただけるようなエンターテイメントとして魅力ある作品にしたいと思っています。歌舞伎は決して昔の物ではなく、むしろ今の時代を表現するのにとても向いています。歌舞伎は成長し変化して、時代と共に様々な表現方法を探す、まさに"今の芝居"です。きっと今の時代の為の『佐倉義民傳』ができるのではないかと思っています。


中村勘三郎
 木内宗吾様は、すぐカァっとなる私とは全く正反対で、本当に穏やかで怒らない方、この演目が決まったことを、実は弟子が喜んでおります・・・といいますのは、前回この演目を上演した1ヶ月の間、非常に良い人間だったそうです(笑)。付き人の失敗にも「こういうことの無いようにしておきなさい」って舞台の袖で静かに注意したそうで・・・普通だったら激怒するんですけどね(笑)。

 宗吾様のすごいところは、自分の立場を非常にわきまえているところです。お百姓さんの身にもなっているし、ときには領主の事も考えて、板挟みになる。平和主義者ですから皆を扇動して一揆を起こすようなことはせずに、直訴をします。自分の人生を懸けて皆を助けるという理想主義者、その辺りが上手く出せればと思っています。強くて、そして悲しい人ですよね。そういう人が江戸時代にいたということが凄いなと思います。

 舞台では農民のパワー、庶民のパワー、行き所のない人たちの怒りを表現したいと思っております。『佐倉義民傳』は一致団結、我々も一致団結。コクーンのチームは、非常に良いチームですから、我々ならではというところがお観せできると思っております。コクーン歌舞伎の中でも全く今までとは毛色の違う作品です。内たぎるものは熱く、気持ちを抑えて勤める宗吾様、どういう舞台になるか今から楽しみです。

勘三郎、串田和美が語る渋谷コクーン歌舞伎第十一弾『佐倉義民傳』

2010年04月20日

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