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扇雀、橋之助が「公文協西コース松竹大歌舞伎」での意気込みを語りました

扇雀、橋之助が「公文協西コース松竹大歌舞伎」での意気込みを語りました

 8月31日より全国公立文化施設協会主催「松竹大歌舞伎」西コースが、全国20か所で行われます。今年は中村扇雀、中村橋之助出演による『鳴神』『俄獅子』、さらに中村亀鶴による『歌舞伎の見方』が上演されます。公演に先立ち、中村扇雀、中村橋之助が意気込みを語りました。

中村扇雀
 『鳴神』は歌舞伎十八番の内の代表的な演目で、歌舞伎の入門編という言い方は少し当たらないのかもしれませんが、隈取りなどの様式美、大薩摩の派手な音曲、女方の色気、物語のお面白さなど、歌舞伎を観たことのない方に初めて触れていただくにはとても良い演目だと思っています。ご一緒する橋之助さんは、荒事が良くあう方ですし、一年中いろんな場所いろんなお芝居でご一緒し、夫婦役なども随分勤めさせていただいています。この『鳴神』も橋之助さんとは2回目でございます。2人で練り上げてつくる『鳴神』で歌舞伎の醍醐味を堪能していただき、『俄獅子』で華やかな舞踊をご覧頂き皆様に楽しんで頂ければと思います。

 雲の絶間姫のことで、父(坂田藤十郎)に「最初花道で鳴神上人と話をするときに、後に滝が流れているのだから、滝の音に負けない大きな声で張って言葉を伝えなくてはいけない」と教えられたことがあります。とても長いセリフで、息の切れるところですが、そうした女方としての技術も楽しんでいただきたいと思います。また鳴神上人が絶間姫の胸に手を入れる有名な場面がございます。お客様がお喜びになるところですので、リアルにやるべきか、誇張してやるべきか、その日のお客様の反応で毎回どういう風にやろうか変えています。お芝居は毎日生まれてくるものですので、決まり事の範囲の中で、変化をつけてみる・・・その土地その土地で、お客様とキャッチボールをしながら客席と舞台が一体になるようなお芝居をつくっていきたいと思っています。


中村橋之助
 大変な盛り上がりを見せた"歌舞伎座さよなら公演"が終わり、歌舞伎座が再開場するまでの3年間という、歌舞伎界にとりまして大切な時期を迎えていますので、いつもとはちょっと違った心持ちで巡業に参ります。各地の歌舞伎を昔から愛して下さっている方々を大切にするのはもちろんの事、これからの新しい歌舞伎のファンを作っていく、また新しい歌舞伎の魅力を演出するというのも今回の公演での扇雀さんと僕の役目ではないかなと感じています。

 鳴神上人を勤めるのは、今回で5回目になりますが、とても思い出の多いお役です。初役のときには團十郎のお兄さんに教えていただいたのですが、稽古の時、團十郎のお兄さんが雲の絶間姫を本当の舞台と同じように勤めて下さいました。その時に感じた驚きや喜びを呼び起こして今回も勤めるつもりです。また、とても憧れていた二代目松緑のおじ様が国立劇場で勤められたときもよく楽屋に伺い舞台を拝見していました。松緑のおじ様が『鳴神』の前になると白の綸子を着て楽屋から清元を歌いながら庵の中に入っていらっしゃる・・・それがまるでミントの香りがするようなさわやかな艶のある清元で、とても素敵でしたので自分が国立劇場で『鳴神』を勤めさせていただいたときに、それを真似させていただきました(笑)。そんな具合に立役でしたら誰しもがこの鳴神というのは憧れる役です。こうして勤めさせていただけることをとても幸せなことだと思っています。


扇 雀
 今回、お互いのお弟子さん(中村扇之助、中村扇一朗、中村橋弥、中村橋吾)が白雲坊・黒雲坊をWキャストで勤めさせていただきます。なかなか大劇場では、良いお役が付く機会が少ないのですが、こういう所でしっかり毎日勉強していけば大きい劇場でいざ役が付いたときにも慌てることなく、お役を一つ一つ勤めることが出来ると思います。歌舞伎の家ではないところから歌舞伎の世界に入り歌舞伎役者を志している若い人たちです。彼らのことにもぜひ注目していただきたいと思っております。

2010年07月27日

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