勘太郎『東海道四谷怪談』舞台安全成功祈願

勘太郎『東海道四谷怪談』舞台安全成功祈願

 妙行寺 お岩の墓前で手を合わせる勘太郎

 新橋演舞場「八月花形歌舞伎」第三部『東海道四谷怪談』でお岩を勤める中村勘太郎が、お岩にゆかりの妙行寺(西巣鴨)、田宮神社・陽運寺(四谷左門町)を訪れ、舞台の安全と成功を祈願しました。

中村 勘太郎
 『東海道四谷怪談』でお岩様を勤めるのは本当に夢でした。父(十八代目勘三郎)が1994年コクーンで勤めた時には、舞台の表からも裏からも、何度も何度も観た事を良く覚えています。さらに今回、小仏小平、佐藤与茂七も勤めさせていただける、本当に有難いと思っています。祖父(十七代目勘三郎)も勤め、父の当たり役に挑戦することにプレッシャーも感じていますが、良い舞台にしたいと思っています。

 父の舞台を「なんて可哀想な話なんだろう」と思って観ていました。楽をさせたいと思っていた父を殺され、その敵を討つという伊右衛門を信じて愛して子供を産むのですが、子供はいらないと言われ、暴力まで受け、顔が崩れる薬を飲まされて・・・女性とって大切な顔、武家の娘としてのプライド、全てが崩れていくという本当に悲しい話だと思います。

勘太郎『東海道四谷怪談』舞台安全成功祈願

 田宮神社での舞台安全成功祈願


 お岩様は初役ですので、父に教えて頂いたとおりに勤めるつもりです。四谷怪談というと怖いイメージが先行しますが、お岩様の気持ち、女性の悲しさ、苦しさ、切なさというものを表現できたら良いなと思っています。役作りのために2ヶ月で10kgほど減量して、今はちょうど60kg位ですが、自分の理想ではあと2kg位落としたいので、もう少し減量しなくてはと思っています。(笑)

 父からは、浪宅で薬を飲むところが一番大切、薬で手が痺れて何かを持とうと思っても持てないところが難しいから勉強しなさいなど、色々教えて頂いています。「戸板返し」など、舞台での仕掛けも父のやり方を教わっています。一所懸命勤めたいと思っています。

勘太郎『東海道四谷怪談』舞台安全成功祈願

 陽運寺での法要を終えた勘太郎

2010/07/31