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釜山国際映画祭『わが心の歌舞伎座』ワールドプレミアレポート

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2010年10月9日(水)釜山国際映画祭(PIFF)で『わが心の歌舞伎座』のワールドプレミアが行われました。会場は海雲台にある映画館、MEGABOX。約200席の場内は満席。若い方が大半を占めていたのが印象的でした。

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上映が終了すると大きな拍手が沸き起こり、司会者から十河壯吉監督が紹介されるとあたたかく迎え入れられ、監督とお客様の間で質疑応答が行われました。全て韓国の若い方々から質問され、30分以上に及ぶ熱心な質疑応答になりました。

ご覧いただきありがとうございました。この映画は歌舞伎を頭で理解するのではなく、心で感じる、そういう映画にしようと思って作りました。歌舞伎を理解するのは映画の数時間では難しいですが、俳優さんたちの思い、作り手の心の部分を描きました。


―歌舞伎がこのようなドキュメンタリーになるのは初めてですか?

テレビで一部分が放送されることはありましたが、このような形で歌舞伎座の舞台裏も含めて全体を描いた映画は初めてです。歌舞伎座の建替えという機会でなければ、このような映画は撮れなかったと思います。


―日本ではなぜ伝統文化を保持できるのでしょうか?特別な理由がありますか?

伝統というのは人によって支えられているものですから、それを守ろうとする人の気持ちが一番大事です。その熱意がお客さんに伝わって、歌舞伎は人気があるのだと思います。


―この映画を観ると、歌舞伎がみんなから愛されているのを感じました。歌舞伎座がなくなるこのタイミングだからこその、特別な盛り上がりなのでしょうか?

特に最近は歌舞伎が好きな人が増えて、若い人の間でも盛り上がっています。さよなら公演だけが人気がある訳ではありません。映像の世界はCGなどの技術の進歩が目ざましく目を見はるものがあります。しかし、そこからは人の汗や魂は感じられないような気がします。一方、歌舞伎を見てみると、昔ながらの人の手によるSFXのような世界もあります。歌舞伎の舞台からは人間の息づかいや魂が伝わってくる...そんなところが面白いのではないでしょうか。


―韓国で世界初上映されたお気持ちは?

うれしいですよ。日本には大陸からの文化が入っている歴史があるので、文化的にも近い韓国の人に最初に観てもらえて良かったです。


―観た人にどう受け止めて欲しいですか?

受け止め方は人それぞれで良いと思っています。歌舞伎は言葉は昔の言葉で日本人でも難しいですが、ストーリーは普遍的で易しいものです。映像と音で何か魂のようなものを感じ取って欲しいですね。


―歌舞伎は決して難しくて理解のできない文化ではないと思い、身近に感じることができました。監督は伝統というものをどういう風にお考えですか?

うれしい感想をありがとうございます。伝統は先人たちの心を受け継ぐ事だと思います。
伝統の心を見つめることは、結果として新しいもの、大切な何かを見つけられる。現代人は新しいものばかりに目を向けすぎています。今こそ立ち止まり自分たちの足下を見つめ直すことも必要なのではないでしょうか。


―歌舞伎座が休場中も、歌舞伎は違う劇場で上演しているのでしょうか?映画に出演されている俳優たちを観ることはできますか?また歌舞伎座を建てるドキュメンタリーは撮らないのですか?

3年後の開場までも、歌舞伎座以外の劇場で上演していますし、この映画に出てくる俳優たちも出演しています。歌舞伎座が建つまでのドキュメンタリーを撮る予定は、今のところありません。ハードだけを撮影しても、人の心がなくては面白くないと思います。


以上で質疑応答は時間いっぱいとなり、監督に大きな拍手が再び贈られ終了しました。この後もロビーで監督に質問するお客様もいらっしゃって、韓国での伝統文化への関心の高さがうかがえる、国際映画祭ならではの体験でした。


歌舞伎座さよなら公演 記念ドキュメンタリー作品
『わが心の歌舞伎座』

わが心の歌舞伎座2011年1月15日(土)東劇ほか全国ロードショー

『わが心の歌舞伎座』公式サイト

監督:十河壯吉
撮影:柏原聡
照明:藤井克則
音楽:土井淳
製作・配給:松竹株式会社
協力:社団法人日本俳優協会 株式会社歌舞伎座

2010年10月14日

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