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團十郎が大阪松竹座「九月大歌舞伎」の意気込みを語りました

danjuro_1.jpg 5月の團菊祭に続き、大阪松竹座に出演する市川團十郎が、「九月大歌舞伎」で自身が勤める二役と、指導に当たる『若き日の信長』について語りました。


『河内山』河内山宗俊について――
 初演(昭和56年1月浅草公会堂)は、(三世河原崎)権十郎のおじさんに教えていただきました。父の北谷道海の姿がとても印象に残っています。松江候の玄関先で啖呵を切るところがとても気持ちのいい役ですね。

 私の場合、「質見世」では顔に(砥粉)色を塗って出て、松江邸には白くきれいに塗り直して出ます。今回はその「質見世」の場はありません。お数寄屋坊主が、(白く塗って)高僧のような顔をして松江邸へ乗り込み、だんだん本性が出ていく変化は、やらせていただいていて楽しいところです。色気も必要なんじゃないでしょうか。

 

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『勧進帳』富樫について――
 海老蔵の弁慶で富樫をやらせていただくのは、パリ・オペラ座公演(平成19年3月)以来2度目ですから、国内初です。弁慶と富樫は剛と柔、知と仁、異なる二つのキャラクターがぶつかり合うのが面白い。7月の新橋演舞場(團十郎の弁慶、海老蔵の富樫)と入れ替りの配役でやらせていただくので、お互いにまた違ったものが見えてくると思います。

 弁慶と富樫はシテ、ワキという間柄ではありますが、ほぼ同格だと思っています。たとえば、問答の場面では、最初、富樫がゆっくり出て弁慶が焦って早めに答えているのが、徐々に弁慶の落ち着き様を見て富樫のテンションが上がってくる、今度はそれを見た弁慶が冷静になっていく...。突っ込まれて受け、受けて突っ込む、そのあたりがうまくいけばいいと思っています。


『若き日の信長』指導について――
 作・演出の大佛次郎先生は演じる役者の人となりをベースに作品を書かれおり、この作品は十一代目團十郎の癇性なところを写し取り、信長像に合致させています。また、癇性であるだけでなく、優しさも持ち合わせた役です。加えて、(昭和27年10月歌舞伎座初演時)前田青邨先生が"溜込(たらしこみ)"の技法を使った絵を舞台にかけたことも大きな特徴です。なかなか難しい技法なのですが、今回も、その何とも言えない味わいの濃淡、溜込の雰囲気をなんとか出してもらえるようにお願いしています。従来とは違った絵の技法を歌舞伎の舞台に持ち込んだということでも、まったく新しい歌舞伎であり、戦後歌舞伎の新しいジャンルとも言えます。そこを明確に打ち出せるように指導できればと考えています。

2011年08月23日

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