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藤十郎が語る「中央コース 松竹大歌舞伎 近松座公演」

藤十郎が語る「中央コース 松竹大歌舞伎 近松座公演」

 6月30日から全国23都市を巡る(社)全国公立文化施設協会主催 中央コース 松竹大歌舞伎 近松座公演 近松座三十周年記念 が始まります。演目は『お目見得 御挨拶』、『夕霧名残の正月』、『曽根崎心中』。公演に先立ち坂田藤十郎が意気込みを語りました。

坂田藤十郎
 昨年、この公文協の公演を仰せつかり、様々な土地で上方歌舞伎を観ていただくことができると喜んでおりましたが、東日本大震災の影響で公演が中止となってしまいました。残念に思っておりましたところ、今年になってあらためて巡業のお話をいただきまして本当にありがたいことです。震災に遭われた方々にも我々の歌舞伎を観て少しでも楽しんでいただきたい、そして皆様の心が温まるようにと願っています。そう思いますと、この公演がさらに意義深い大事なものになるのではないかと感じております。

 今回は近松座三十周年という記念の公演です。上方歌舞伎を大事にしていくには近松門左衛門の作品を勉強しなくてはいけないと、今から30年前に近松の作品をとり上げて上演する「近松座」という自主公演を始めました。当時、血のつながっている者は誰も出演しておりませんでしたが、今回は、息子の翫雀、扇雀、孫の壱太郎ら血のつながりのある俳優たち、一生を上方歌舞伎に捧げている俳優たちが集まった公演となっています。上方歌舞伎の魂が乗り移っているような舞台を観ていただけるように、私たちから弟子たちまで、皆燃えております。

 『夕霧名残の正月』の上演は藤十郎襲名以来です。毎回、新たな気持ちで勤めたいと思っております。そして昔のものを今楽しんでいただけるように、気楽に見ていただけるようにと思っています。『曽根崎心中』では壱太郎がお初を勤めます。2010年3月南座で初役を勤めて以来ですが、そのときは「そういう時代になったのか…」と感じました(笑)。壱太郎には自分でその役をつかみ、自分のお初像というものをつくらなければいけないと伝えています。

 上方歌舞伎の役者というのは、自分で創造したものの中に、いわゆる女方の振りや、裾のさばき方といった技術的なものを入れていきます。役を自分の身体に入れて演じる“リアリティ”というものが上方歌舞伎の根本にあると思っています。

藤十郎が語る「中央コース 松竹大歌舞伎 近松座公演」

2012年06月04日

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