菊之助が「歌舞伎 ―江戸の芝居小屋―」展オープニングイベントに登場

歌舞伎座新開場記念展 歌舞伎 ―江戸の芝居小屋―
 2月6日(水)、東京・六本木のサントリー美術館 「歌舞伎座新開場記念展 歌舞伎 ―江戸の芝居小屋―」のオープニングイベントに、尾上菊之助がゲストとして登場しました。

 雪の舞い散る朝、東京ミッドタウンにあるサントリー美術館の4階展示室入口で、華々しくテープカットセレモニーを行った菊之助。特別協力者として同じくテープカットを行った松竹株式会社の大谷信義会長は、「お客様の盛り上がりと俳優の演技が歌舞伎の大きな魅力の一つになっていることが、展示作品に非常によく表れています。歌舞伎のそういうエネルギーを感じて、歌舞伎座で楽しんでいただきたい」とご挨拶。

 また、迫本淳一社長は「一日かけて見たいほど引き込まれる素晴らしい内容。俳優、お客様、劇場の三つ立てという歌舞伎の本質をとらえた企画です。歌舞伎が脈々と受け継がれてきたことを痛感し、次の400年につなぐべく気を引き締めていきたい」と、興行者としての決意を述べました。

 そして、スペシャルゲストとして紹介された菊之助は、新しい歌舞伎座が立ち上がる前に亡くなった先輩俳優の悲報にふれ、「歌舞伎界は今、気を引き締めるべき時だと思っております。しかし、時間は前に進みます。先輩方に続き、若手俳優も一丸となってやる気でございます。私たちが受け継ぎ、お客様一人ひとりに感動し、愛していただける歌舞伎をつくれるよう、次の歌舞伎座で頑張りたい」と、力強く決意を語りました。

尾上菊之助

企画展を見た菊之助に聞きました

――印象に残ったのは
「『四谷怪談』を初演した三代目菊五郎の浮世絵。三代目は本当にいい男だったなと思った(笑)のと、いつか自分もさせていただきたいと思い見ていました。こういう展示では、どうしてもご先祖を探してしまうし、また、歴史と自分とのつながりが見られるところが面白いですね」

――劇場の様子を描いた絵が多数展示されています
「絵の中のお客様の様子がさまざまで、異国の人もいて、歌舞伎は本当にグローバルで、人を魅了してやまない芸術だなと感じました。金丸座(旧金毘羅大芝居)や平成中村座のように、芝居小屋にはお客様と役者に一体感があります。と同時に、劇場の扉を開けるとピッと背筋が伸びるのも、歌舞伎の歴史がつくってきたもの。その二つがあるところが、歌舞伎の魅力ではと思いました」

――演じる側にとっての劇場とは
「これは父の言葉なのですが、"演じている空間が劇空間、どこに行っても、そこを芝居の空間に変えるのが役者の役目"なので、僕としてはいろんなところでやってみたいですね」

――代々の歌舞伎座の模型も並んでいました
「建築の変化も面白いですが、先輩方の築き上げてきた知恵や型が、劇場とともに発展してきたわけですから、先輩方に感謝しないといけません」

――そして、いよいよ歌舞伎座新開場です
「懐かしさとともに新しさも感じていただけることしょう。守らなければいけない伝統がありながら最先端でもあるのが歌舞伎だとすれば、歌舞伎の劇場も、殿堂であるとともに最先端でなくてはと、今日の展示を見てあらためて思いました。歌舞伎座では、大河の流れの一滴になって、お客様に感動して帰っていただける演技をしていきます」

 「歌舞伎座新開場記念展 歌舞伎 ―江戸の芝居小屋―」は3月31日(日)まで。詳しい情報は、サントリー美術館のサイトをご覧ください。

2013/02/07