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團十郎さんの葬儀告別式が行われました

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 2月27日(水)、東京 青山葬儀所で、今月3日に逝去された市川團十郎さん(本名:堀越夏雄 享年66)の葬儀告別式が行われました。團十郎さんは、前日の閣議決定により正五位と旭日中綬章が贈られました。

 告別式の式場は、遺族の意向により、生前に質素を重んじた團十郎さんの人柄を反映させ設え。白菊を基調とした花々で覆われた祭壇の上には、市川宗家の家紋の三升を染めた幕がかかり、祭壇中央には昨年11月に撮影された紋付姿の遺影が掲げられました。祭壇にはほかに、諡号(しごう)の「瑞垣珠照彦命(みずがきたまてるひこのみこと)」が書かれた霊璽(れいじ)や神籬(ひもろぎ)、また平成19(2007)年に受章したコマンドゥール(フランス芸術文化勲章最高章)などの勲章が、生前の功績を称えて飾られました。

 日本俳優協会会長の坂田藤十郎は、歌舞伎俳優を代表して弔辞に立ち、「近松座での『曽根崎心中』で、徳兵衛をお付き合いくださいましたね。ああした和事のお役を立派に勤められたのも、忘れられない尊い思い出です。こうして目を瞑りますと、『勧進帳』の弁慶や助六、熊谷直実、盛綱、実盛など、数えきれないほどご一緒した舞台でのお姿が浮かんでまいります」と、在りし日の舞台を懐かしく振り返りました。

 菊五郎は友人代表として、遺影をじっと見つめながら「夏雄ちゃん...60年のお付き合い、本当に楽しかった、面白かった! そして...心より、心より、ありがとうと申します。倅もしっかり勉強して、成田屋一門、大丈夫です。安心して休んでください。お疲れ様でした」と、語りかけました。

 喪主として挨拶に立った海老蔵は、言葉を探しながら「とても...、寂しいです」と、ため息まじりに話し始めました。「初めて父とお酒を飲んだときに、父は父(十一世團十郎)とそのような時間を過ごしたことがないために、『孝俊、とてもうれしい。幸せだ』と、言ってくれたことが...、今でも心に残っています。父と最後にテレビ電話をしたとき、父の顔はとっても優しく、いつもと同じような笑顔でした。その笑顔がまぶたに焼き付いてます。私の一生の宝物です」と、團十郎さんとの思い出を涙をこらえながら語りました。

  色は空 空は色との 時なき世へ

 最後に披露された團十郎さんの句。「自分の最後を悟っていたと気づかなかった。大変申し訳なく、情けなく思いました」と、亡き父の大きさにあらためて思いを馳せつつ、挨拶を終えました。

 告別式後、藤十郎が取材に応じ、「勘九郎君の襲名(南座)の『船弁慶』で、私が義経、團十郎さんが弁慶だった。毎日にこやかな顔してね。それを思い出したらね…。とても優しい弁慶で、メーキャップをしてても、中に優しい團十郎さんが出てる。まさかあれが最後の舞台になるなんて。とても人間味のある、あったかみのある人なんですよ。惜しい」と、無念の思いを語りました。

 勘九郎も、「12月も『対面』の五郎を初めてやらせていただいたのですが、團十郎のおじ様はむきみ(隈)が本当に素敵なんです。どうしても習いたくて、お部屋にうかがうと、絵に描いて『こうやって引くと目の形とかがいいよ』と教えてくださいました。『船弁慶』で最後をご一緒できたことは、僕の歌舞伎人生の誇りに思います。『眠り王』のかぐや姫に抜擢していただいて、毎日のようにお家でお稽古していただいた御恩があるので、寂しいです」。

 凍えるような寒さと小雨のなか始まった葬儀ですが、気づけば雨は上がり、春を待つ空の下、参列者は静かに團十郎さんとのお別れを惜しんでいました。

2013年02月27日

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