「四国こんぴら歌舞伎大芝居」初日開幕

 4月6日(土)、香川県の金丸座(旧金毘羅大芝居)で、「第二十九回 四国こんぴら歌舞伎大芝居」が初日を迎え、市川亀治郎改め四代目市川猿之助襲名披露公演が始まりました。

 四国の春の風物詩、「こんぴら歌舞伎」も今年で29回目、地元はもとより全国からお客様が詰めかけ、満席の劇場の幕が開きました。襲名披露を行う猿之助は第一部の『義経千本桜 川連法眼館の場』で、3年ぶり3回目の金丸座の舞台に登場。これまでの襲名披露公演と同じく、澤瀉屋代々の隈取がデザインされた祝幕が開き、猿之助の演じる佐藤忠信が花道から出てくると、「澤瀉屋!」「四代目!」の声も飛び交いました。

 源九郎狐が花道を引っ込む大詰では、金丸座の特徴であるブドウ棚と顔見世提灯を背景に、"かけすじ"を利用した宙乗りの演出となり、すぐ目の前を飛んでいく猿之助にいっそう大きな声援と惜しみない拍手が送られました。

 第二部『口上』では、猿之助が「東京の歌舞伎座が新開場のこの4月に、最古の芝居小屋である金丸座で襲名披露をさせていただけますことは、とてもありがたいことです」とご挨拶。「澤瀉屋一門が揃ってこんぴらに初参加できますことも、大変嬉しいことです」と、喜びを語りました。

 続く『奥州安達原 袖萩祭文』では、夕暮れの金丸座ならではの雰囲気のなか、猿之助が袖萩と安倍貞任の二役を演じました。舞台上だけでなく、客席上のブドウ棚からも降る雪で劇場全体が一面雪景色に。劇場空間を生かした演出により、歴史ある芝居小屋いっぱいに舞台の熱が伝わって、最後は涙と拍手の幕切れとなりました。

 公演は21日(日)まで、春爛漫の香川県・金丸座(旧金毘羅大芝居)にて開催されます。

※澤瀉屋の「瀉」のつくりは正しくは"わかんむり"です。

2013/04/06