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歌舞伎座「九月花形歌舞伎」出演者が語る

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▲ 左より中村七之助、片岡愛之助、尾上菊之助、市川染五郎、尾上松緑、市川海老蔵、中村勘九郎、夢枕獏

 9月の歌舞伎座「九月花形歌舞伎」は、昼の部に古典の大作『新薄雪物語』と歌舞伎舞踊『吉原雀』、夜の部は新作『陰陽師』が上演されます。その出演者と『陰陽師』の原作者である夢枕獏氏が、公演への思いを話しました。

夢枕 獏
新しい歌舞伎座、最初の新作歌舞伎が『陰陽師』、たいへん光栄です。若手の方の総出演が大変うれしく、感謝しています。原作者というより観客として歌舞伎座に入り浸りたいくらいで、僕がいちばん楽しい思いをするのじゃないかな。自分の書いたものを生身の俳優が演じてくれるのですから、書いたほうとしては"たまらない"ですね。幕が上がるのをひたすら楽しみにしています。

市川染五郎
『新薄雪物語』園部兵衛は松嶋屋のおじさま(仁左衛門)に教えていただき、記録と記憶に残る舞台となることを目指して体当たりで勤めます。『陰陽師』という作品は、映画やテレビもありますが、歌舞伎で上演するのがベストではないでしょうか。安倍晴明は、国の権力者ではないが国を動かす言葉を告げる立場という不思議な存在。いわゆる"存在がない存在感"をどれだけ出せるか、ですね。先生の書かれた小説以上になることを目指して頑張ります。

尾上松緑
『新薄雪物語』の伊賀守の強靭な精神力、武士の意地、切腹まで追いつめられる極限の精神状態がお客様に伝わるよう、力強い同輩とともに頑張ります。役のうえでの兵衛との信頼関係と現実での染五郎さんとの信頼関係が、舞台にシンクロするように出せればいいなと。古典の継承と新作、歌舞伎役者人生にとっても、自分の人生にとっても、大変有意義な月になることと思います。

尾上菊之助
いつの時代にも新作が必要とされ、新作によって歌舞伎に新しい風が吹いてきました。その都度、何をもって"歌舞伎"とするか問われてきましたが、私は、江戸時代に花開き、成熟した歌舞伎を、身体、意識、呼吸で体現することにより歌舞伎になると信じています。歌舞伎座新開場の先輩方の素晴らしい3カ月に続けるように、力を合わせて歌舞伎を守っていきたいと思っております。

市川海老蔵
『陰陽師』で演じる平将門という人物は、私が小さい頃に父が自主公演で演じたことがあります。そのときの将門は、首が飛んでも歩いている、肉体は滅んでも魂は生き続ける...、これを歌舞伎ならではの世界で表現できるように勉強していこうと思います。この顔ぶれで一緒の舞台に出ることはまずないので、各々が持つものを感じ合い、刺激し合って歌舞伎の未来をつくっていきたいと思います。

片岡愛之助
歌舞伎は伝統芸能なので、受け継いだことを次へ受け渡すことは当たり前で、それに加えて新作が必要です。つくる以上は二度三度とできるよう、50年後、100年後にやりたいなと思ってもらえる作品を作らなければと思います。そして、お客様にこのメンバーでこの作品を10年後、20年後に見てみたいと思っていただけるように勤めます。

中村勘九郎
新作はお手本がないので、台本をどう読み込み、役へどうアプローチするのか、物語の世界観を一緒になってつくり上げる楽しみがあります。新開場の最初となる新作をつくる責任は重大ですが、前の歌舞伎座の伝説となっている『源氏物語』(昭和26年、新開場を記念した新作)に並ぶ作品、超える作品をつくり上げられれば。お客様には、この初演を見逃さないで欲しいです。

中村七之助
新作の生みの苦しみを知ったことで、素敵なものを残してくれた先人に対する尊敬の念が強くなったという経験があります。古典も新作も両方大事。今回の新作は、後輩に"いつかやりたい"と言ってもらえる作品にしなければと思っています。(この7人のなかでは)一番年下という立場をおおいに活かし、存分に意見を言って生意気だなと言われながら(笑)、つくり上げたい。稽古が今から楽しみです。

2013年07月31日

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