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福助、扇雀が語る《月イチ歌舞伎》『野田版 研辰の討たれ』『野田版 鼠小僧』

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 8月31日(土)~9月6日(金)、全国27カ所の映画館で上映される ≪月イチ歌舞伎≫『野田版 研辰の討たれ』(平成17年5月歌舞伎座)と、10月19日(土)~25日(金)上映の『野田版 鼠小僧』(平成15年8月歌舞伎座)について、両作品の出演者である中村福助、中村扇雀が上演当時の様子などを語りました。

チームでつくり上げた『野田版』2作品
 『野田版 研辰の討たれ』は初演が平成13(2001)年8月、歌舞伎座の納涼歌舞伎でした。「喜劇的なことをやらない三津五郎のおにいさんが、いきなりあの家老役を演じられたとき、稽古場が一気に変わりました。おにいさんがこれだけやるんだから、僕らもと。ほんとに一つのチームとなって、皆で意見を出し合い、探りながら、いろんなことを感じ、つくった作品です」と福助が話を切り出すと、扇雀もうなずきながら当時の思い出を語りました。

 「野田秀樹さんがイギリスから帰ってきたとき、ワークショップをやろうという話になりました。古田新太さんや吉田日出子さん...、いろんなメンバーが集まったんですが、そのときに歌舞伎役者チームは野田さんの『贋作・桜の森の満開の下』を、そして、歌舞伎役者じゃないチームが『研辰の討たれ』をやったんです」。振り返って考えると、あのときのことが作品が生まれる元にあったのではと、扇雀は想像をめぐらせます。

『野田版 研辰の討たれ』

野田演出が生み出す作品の魅力
 「野田さんの作品は役がしみ込んでくる。僕自身にすごく合っている気がします」と扇雀。福助が野田演出の特徴として「すごく細かくて、稽古場に入ってきたときには演出プランが決まっている」と言うと、「そう、いろいろ試させてくれるけど、新規採用はほぼない。せりふが聞こえなくなってしまうのをすごく嫌う方なので」と、扇雀も続けました。ただし、「チラシにもある『ウエスト・サイド物語』みたいなこのシーンは自然発生」(福助)といったエピソードも明かしました。

 もう一つ、野田演出では、戯作者が台本を読んでみせた昔のやり方と同じく、「野田さんがまず全部読んでくれる。だから、どういう雰囲気を、命を、(作者が)役に与えているのかがわかる」(扇雀)のも特徴。「歌舞伎はすべての役の人の潜在能力が高いと、野田さんはよくおっしゃっていました。両作品とも群集劇ですが、野田さんが隅々までよく見ていて、おふざけみたいに見えるシーンも、アドリブは一切なし」(福助)だそうです。

勘三郎の大活躍をぜひスクリーンで!
 現代語はたくさん出てくるし、歌舞伎では考えられないようなせりふもあり、書割ではなく抽象的なセットを組んだ道具での芝居など、「お客様より我々のほうがドキドキしていた」(福助)と言う『野田版 研辰の討たれ』。「昔も役者への当て書きがあったと思いますが、これはその手法を使った現代の歌舞伎」(扇雀)。それを、臨場感あふれる映画として楽しんでもらいたいと二人は言います。

 「世界中を見渡しても、一つの演劇でこれだけ多様なものを持っているものは歌舞伎しかない。それを映画館で間近に見られることは、外国の人にとってみたらうらやましすぎるのでは」(扇雀)、「少しででも多くの方に歌舞伎を観てもらいたいと、勘三郎の兄は言っていました。舞台を見逃した方はぜひ"勘三郎がスクリーンで大暴れする"これらの作品を見ていただきたい」(福助)。みどころ満載の≪月イチ歌舞伎≫、ぜひ、お近くの映画館でご覧ください。


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2013年08月22日

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