歌舞伎座「九月花形歌舞伎」初日開幕

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 9月1日(日)、歌舞伎座新開場柿葺落「九月花形歌舞伎」が初日の幕を開けました。

 昼の部では時代物の大作『新薄雪物語』と華やかな舞踊の『吉原雀』、夜の部では新開場後初となる話題の新作『陰陽師』に花形俳優が挑むこの公演。古典と新作、そして舞踊と、昼夜それぞれの魅力をお楽しみいただける「九月花形歌舞伎」は、歌舞伎座に、新たな歴史を刻む公演といえるでしょう。

 初日の舞台をご観劇された、『陰陽師 滝夜叉姫』原作者の夢枕獏氏と主題曲を作曲したき乃はち氏からコメントをいただきました。

夢枕獏氏
 原作者ですから、自分の書いた作品には心が入っていますので、今回は観客として一番楽しんでいます。皆さん、前月の舞台など直前まで仕事がある中で、短期間でここまで仕上げてくるというのは、「歌舞伎の底力」を見た思いです。

 冒頭、滝夜叉姫がもののけと一緒に出てくるところで、作品としての確信を持ちました。美しい姫が怪しいものと一緒に出てくる、ここで「決まり!」だと思いました。出演者の皆さんが実によく役柄にはまっています。やはり、数百年の歴史があっての演劇集団だと実感しました。
 
き乃はち氏
 今はとにかくほっとしています。歌舞伎の世界に『陰陽師』という作品が絶妙にはまり、いい舞台ができ上がったと思います。自分が作った主題曲が25日間をかけて、どんどん変わっていくのが楽しみです。舞台は生ですから、一日一日変わっていきます。むしろ出演者の皆さんが楽曲をどう変えていくのか、また、お客様の受け取り方も様々でしょうから、その変化を楽しみにしています。

 新しい歌舞伎座は、以前の歌舞伎座とは変わっていないように感じますが、新しい作品が馴染むような空間だと思います。この歌舞伎座で、これから歴史をつくるという中で、その場に参加できたのは本当に光栄です。

歌舞伎座「九月花形歌舞伎」

『陰陽師』の関連グッズを集めた特設コーナー

歌舞伎座「九月花形歌舞伎」

▲ グッズを手に取られるお客様

 1階のお土産処「木挽町」に設けられた夜の部『陰陽師』の関連グッズコーナーでは、夢枕獏氏の原作小説や、今回の公演の主題曲を作曲したき乃はち氏のCDなどが販売されています。

 歌舞伎座 「九月花形歌舞伎」は、25日(水)までの公演。当日発売の 幕見席もありますので、この機会にぜひ、歌舞伎座へ足をお運びください。

2013/09/01