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藤十郎が『曽根崎心中』で一世一代のお初を演じ納め

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客席からの万雷の拍手に応える坂田藤十郎

 
 4月26日(土)、歌舞伎座 「鳳凰祭四月大歌舞伎」昼の部『曽根崎心中』にて、坂田藤十郎がお初一世一代の舞台を演じ納めました。

 昭和28(1953)年8月新橋演舞場で、当時、中村扇雀を名のっていた藤十郎がお初を初役で演じて以来60年あまり。歌舞伎座の千穐楽の4月26日、1351回目の舞台に立っていたのも、美しく可愛らしい愛に生きるお初でした。幕が降りても鳴りやまない拍手と歓声に応えるかのように緞帳が上がり、藤十郎は、下手(しもて)、上手(かみて)、そして正面にゆっくりと手を掲げ、それからお客様に深々と頭を下げました。

 舞台を終えた藤十郎は、取材に答え、「初演の頃が思い出されました。はじめてお初にあったときのことを」と、静かに語り始めました。「お初という女性の生き方を、ずっと壊さないように勤めてきました。明日からお初に会えないと思うと寂しい」。最後の最後まで、お初を生きてきた藤十郎にしか口にできない言葉で気持ちを表しました。

 「お客様に、いかがでしたか、ありがとうございます、といううれしい気持ち」でご挨拶したというカーテンコール。緞帳が上がったときには、「客席から温かい風のようなものが吹いてきたように感じました」。その気持ちを、「満足感というよりも、すべてに感謝」との言葉に集約し、お初への思いを締めくくりました。

2014年04月26日

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