【21日まで】愛之助出演『炎立つ』が上演スタート

愛之助出演『炎立つ』が上演スタート

 8月9日(土)、東京 Bunkamuraシアターコクーンで初日を迎えた 『炎立つ』に出演する片岡愛之助が、開幕前の取材で作品への思いを語りました。

 高橋克彦原作の『炎立つ』が描いた奥州藤原氏の興亡のドラマで、愛之助が演じるのは藤原清衡ことキヨヒラ。キヨヒラの異父弟イエヒラ(家衡)を三宅健、そして、東北の古代神アラハバキを平幹二朗が演じます。

 「時代劇ですが髷(まげ)は結わず、着物でも洋服でもない衣裳、すべて栗山民也さんの独自の世界観での演出です。およそ千年も前の話を現代に描き出しているのですが、今の政治や生活を重ね合わせて観ていただきたい。戦の血がしみ込んだ土地に杭を打ち、黄金楽土を築いたといわれる藤原清衡、ゼロからものをつくり上げる大切さ、大変さを感じていただけると思います」

愛之助出演『炎立つ』が上演スタート

 愛之助が、本作の世界観をこう語ると、イエヒラ役の三宅は役づくりのため、物語の地へ実際に足を運んだと言い、「当時の人々が自分の足や馬で登ったと思うと、想像を絶する高さの山でした。その地で何万の人が死んだことも心にグッと刺さるものがありました」。

 神を演じる平が自分の役柄について、「被征服者たちの怒り、恨みを閉じ込めた塊、荒ぶる神の存在です。キヨヒラらの心に浮かぶ思い、恐れを私が語っていくという趣向です。“お前たちはなぜ戦をする”というせりふがあるのですが、これを世界中の戦争をしている人々、岐路に立つ日本人に問いかけたいですね」と紹介すると、愛之助も「僕らの心の象徴となる存在です」と言い添えました。

 愛之助は「育った土壌の違う人たちと、一つの芝居をつくるのは勉強になります。その化学反応を観ていただきたいですね」とアピールし、最終公演が岩手県であることにも触れて、「土地の方々には、登場人物に対する思いもひとしおだと思うので、ぜひ楽しみにしてほしいです」と自信をのぞかせました。

 Bunkamuraシアターコクーンでの公演は31日(日)まで。9月3日(水)~21日(日)には、愛知、広島、兵庫、岩手での公演が行われます。

愛之助出演『炎立つ』が上演スタート

2014/08/09