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【舞台動画アップ】新橋演舞場「十一月新派特別公演」初日の舞台

 11月1日(土)、新橋演舞場 「十一月新派特別公演」の初日が幕を開け、『京舞』では劇中追善ご挨拶が行われました。

 『鶴八鶴次郎』『京舞』の2本立てで、10月の歌舞伎公演に続き、十七世中村勘三郎と十八世中村勘三郎の二人を追善する舞台が初日を迎え、新橋演舞場には故人を偲ぶ大勢のお客様が詰めかけました。

 『鶴八鶴次郎』では、勘九郎の鶴次郎と七之助の鶴八が息もぴったり、口喧嘩のテンポも小気味よいほどで、つかず離れず、前半は二人の微妙な距離感がドラマを盛り上げます。それがある日の出来事を境にがらりと変わって…。亡き母の思いを継いでいきたいという鶴八の思いは、次の『京舞』の芸の継承のテーマにもつながります。

 『京舞』は井上流家元がモデルで、三世井上八千代こと片山春子を水谷八重子、内弟子の愛子を波乃久里子が勤めます。春子の厳しい教えに何度も挫折しそうになる愛子を、春子の孫の博通(勘九郎)が支えます。「芸は坂道みたいなもんだ」とは博通の言葉、「芸は“イキ”だよ」と言ったのは『鶴八鶴次郎』の鶴次郎。芸道、芸の継承、十七世勘三郎、十八世勘三郎の追善にふさわしい2作品が並びました。

 『京舞』の第二幕では劇中追善ご挨拶が行われました。初めに水谷が、「三世井上八千代の役は、先生(十七世勘三郎)から頂いたものと思っております。国立劇場(昭和62年12月)の初日5日前に降板されることが決まり、十八世勘三郎さんが稽古場で手をついて、“父の最期の舞台なら出させますが、そうではないので、休ませてやってください”とおっしゃったのが昨日のことのようです」と思い出を語りました。

 波乃は追善公演ができる喜びとともに、「弟(十八世勘三郎)が2年前、父が大好きだった新派で追善をやりたい、息子たちにも新派の空気を味わわせたいと考えていたものでした。父も弟もどこかで見守っているというより、一緒に参加していると思います」と話し、「哲明さん、ちょっと早かった…」と、十八世の早逝を惜しみました。

 勘九郎は鶴次郎役について「祖父、父、ともに勤めました。新派でも三代にわたって同じ役を勤めるというのは大変珍しいことではないかと思います。珍しいといえば、伯母(波乃)と夫婦役も珍しいのでは」と場内を沸かせ、舞台に並んだ弟子たちとともに、「中村屋一同、一丸となって一所懸命勤めてまいります」と、感謝の気持ちを力強い言葉で表しました。

 勘九郎とともに新派初参加の七之助は、鶴八役について「八重子さんと父の『鶴八鶴次郎』を見ていたので、できっこないと思っていました。本当に難しく苦労しております」と語り、先月、玉三郎に「いっぱい苦しみなさい」と言われたことを明かし、「苦しんで苦しんで、『鶴八鶴次郎』という名作に泥を塗らないように、一所懸命勤めます」と意欲を見せました。

 近藤正臣は十七世勘三郎との共演から「芝居はひらめきと工夫だ、という大きな財産をいただきました」と、『あわ雪豆腐』の舞台の思い出を、柄本明は「演舞場に連れてきてくれたのは勘三郎さんでした」と十八世の思い出に感極まり、お客様からもすすり泣く声が聞こえてきました。

 続いて、故人にゆかりのあるゲストが登場します。初日のゲストは、亡き二人とテレビや舞台で数多くの作品をつくり上げてきた石井ふく子氏。初めての舞台演出が新橋演舞場『なつかしい顔』(昭和43年11月)で、十七世勘三郎が初日に駆けつけてきてくれたことなど、たくさんの思い出話を紡ぎだし、「歌はいいよね、残るから。舞台は消えるんだよ」との十七世の言葉を引き合いに出して「舞台は消えないです。皆様の心の中に素敵なお土産を持って帰っていただき、またおいでいただけましたら」と締めくくりました。

新橋演舞場「十一月新派特別公演」初日の舞台

  『京舞』劇中追善ご挨拶 左から水谷八重子、中村七之助、波乃久里子、石井ふく子、中村勘九郎

 新橋演舞場「十一月新派特別公演」十七世中村勘三郎二十七回忌 十八世中村勘三郎三回忌 追善は25日(火)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹にて販売中です。また、『京舞』劇中追善ご挨拶のゲストは、各公演ごとに異なります。こちらでご確認ください。

2014年11月01日

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