月乃助出演『笑う門には福来たる』初日の賑わい

 12月3日(水)、市川月乃助が出演する 新橋演舞場『笑う門には福来たる ~女興行師 吉本せい~』が、初日の幕を開けました。

 寄席や芸人に入れ込む夫、吉本泰三を支えて三流の寄席と呼ばれたところから、何十軒もの寄席を抱えるまでの成功を納め、女興行師として名を馳せた吉本せい。実在のその生涯を描いた『笑う門には福来たる』で、せいを演じるのが藤山直美です。せいを中心に創生期の吉本興業を支えてきた芸人たちもいきいきと描かれ、場内は何度も大きな笑いに包まれました。

 せいが「寄席好きの弟」と紹介して登場するのが、月乃助演じる正之助、後の吉本興業会長の役です。お客様に笑いを届けたい一心で猛進するせいを冷静になだめたり、芸人を大事にするせいの情の深さに、経営者として非情に対立したりしながらも、二人は明治から大正、昭和の激動の時代をたくましく生き抜きます。変わらぬ情熱で突き進むせいを相手に、月乃助が登場の度に成長ぶりを見せることで、時代の流れが浮かび上がります。

 いつも、「えらいことになりました!」のひと言から始まるせいの苦難。「間を外したら命取り」「笑いは生きる力です」のせりふどおり、笑いの力ではねのけはねのけ、最後にせいが手に入れたもの、…それは、せいの人生のすべてが詰まったものでした。

 一人の女性の成功譚という言葉ではとても片づけられない物語、「せいの人生に寄り添って見て欲しい」と月乃助もコメントしています。

 新橋演舞場『笑う門には福来たる ~女興行師 吉本せい~』は、12月25日(木)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹にて販売中です。

2014/12/03