海老蔵「ABKAI2015」への意気込み

海老蔵「ABKAI2015」への意気込み

 左より、宮沢章夫、市川海老蔵、宮本亜門

 

 6月4日(木)から、東京 Bunkamuraシアターコクーンで始まる 市川海老蔵第三回自主公演「ABKAI2015」の製作発表会見が行われ、海老蔵が公演への意気込みを語りました。

海老蔵「ABKAI2015」への意気込み

 第一回に花咲か爺さんを歌舞伎にしたABKAI(えびかい)が今回は浦島太郎と桃太郎に材を取り、海老蔵が再び脚本の宮沢章夫、演出の宮本亜門とタッグを組んで、新作歌舞伎『竜宮物語』と『桃太郎鬼ヶ島外伝』を上演します。

 「日本の昔話を取り上げるのは、多くの人に観ていただきたい、特に子どもさんにも観ていただいて楽しめる作品を、というのが根本にあります」と、海老蔵は自主公演の企画意図を語りました。前回の花咲か爺さん、今回の浦島太郎、桃太郎…と、「一つひとつの珠を丁寧につくり上げ、数珠つなぎにすると面白い作品になります。昔話をこんなふうにも楽しめると、一つのカテゴリーとなっていければ本望です」。

海老蔵「ABKAI2015」への意気込み

 演出の宮本は、数珠つなぎのキーワードとして、「前回、登場した“鬼石”が話をつないでいきます。あともう1回公演をやって、5つの話で一つの昔話にしたい」と明かし、「語り継がれてきた昔話が持つ意味を考えながら、皆でアイディアを出し合っていると、本当に面白いし楽しいんです」と、創作の現場の熱気を伝えました。

海老蔵「ABKAI2015」への意気込み

 今回も書き下ろすのは宮沢。「昔話という同じ次元の中にそれぞれの話があると考えれば、別の話の登場人物が出てきてもおかしくない。書いていて面白くなってきました。ただ、前回は長すぎると言われたので、今回は意識して、説明する内容をひと言で言えるのではないか、と考えながら書きました。この手法は現代劇にも応用できるのではと思っています」。

 第一回でも、主役の花咲か爺さんではなく犬役だった海老蔵は、今回も主役の浦島太郎ではなく乙姫、桃太郎ではなく鬼役で登場します。「台本を読むと、魔力のある乙姫のようなので、今をときめく人を見習って妖艶な乙姫をつくりたい。普段、歌舞伎十八番など勧善懲悪の古典歌舞伎の世界では、勝つ側をさせていただいているので、やられるほうの鬼、面白いんじゃないでしょうか」と、海老蔵にとっては久しぶりの女方とやっつけられる敵役を、今から楽しみにしている様子でした。

 市川海老蔵第三回自主公演「ABKAI2015」は、6月4日(木)~21日(日)、東京 Bunkamuraシアターコクーンにて行われます。チケットは、チケットWeb松竹ほか、各プレイガイドにて販売中です。

2015/03/30