海老蔵が語る4月南座「市川海老蔵特別舞踊公演」

海老蔵が語る4月南座「市川海老蔵特別舞踊公演」 4月17日(金)から始まる、京都四條南座「市川海老蔵特別舞踊公演」を前に、出演の市川海老蔵と市川九團次の取材会が行われました。

初役の『身替座禅』山蔭右京
 昨年は歌舞伎と能とオペラを融合させた『源氏物語』を上演、今年は「古典に重きを置いて古き良きものを継承する」公演で、南座の春を飾る海老蔵。初役で『身替座禅』の山蔭右京に挑戦します。「新古演劇十種の内ですから、都合よくやってはいけない。きちんと、守るべきものを守ってやります」。

 「重たくならないように踊りたいと思います。昔の私だったらできなかったのではないでしょうか。ここで経験して、自分の中の新しいキャラクターを確立できたら」と意欲を見せました。そして、目に残る右京はと聞かれて答えたのが、映像で見た「十七代目(勘三郎)のおじさん」です。

海老蔵が語る4月南座「市川海老蔵特別舞踊公演」

 「父(十二世團十郎)も何回かやっていますが、時代物や、松羽目物でも『素襖落』などのほうが印象的ですから。やはり『身替座禅』というと、十七代目のおじさんや(十八世)勘三郎のお兄さん。音羽屋のおじさん(菊五郎)は家の芸ですから、言うまでもなく」。父からこうでなくてはならないという話は聞いていませんが、「楽しく踊れればいいのではないでしょうか」と、初役挑戦をも楽しんでいる様子でした。

きっちり踊る『吉野山』
 幕開きは『吉野山』。「成田屋では車鬢(くるまびん)と軍扇なのですが、今回は舞踊仕立ての色が強いので、ふかし鬢とお扇子で踊ります。立廻りなしの舞踊としての上演です」。佐藤忠信実は源九郎狐は九團次で、「舞踊で私に足りないものとして、きっちり守ること、自分の考えを入れず、教わったとおりに踊ることをしたいと思います」と、こちらも意欲を見せました。静御前は吉弥。「やわらかさが役にぴったりだと思います」と、新コンビの誕生に期待を持たせました。

海老蔵が語る4月南座「市川海老蔵特別舞踊公演」

 この公演では、市川道行改め四代目市川九團次の襲名披露として、「口上」の一幕も用意されており、九團次は『身替座禅』では太郎冠者を勤めます。「どれも身に余る大役」と言い、「一日でも早く、大きな名前に見合う、ふさわしい役者になるべく、一意専心、脇目もふらずに頑張っていきます」と、前を向いて進んでいく決意を語りました。

 成田屋一門に加わるにあたり、海老蔵は、「名前が整えば、方向性も決まる。落ち着いて芸道を深めてもらうために、九團次の名前をと考えました。素敵な、格好いい、いい名前だと思うんです」と述べ、また、これまで関西での出演が多かったので、三世が関西で活躍して馴染みのある九團次の名が合っているのではと続け、襲名を喜びました。

 京都四條南座「市川海老蔵特別舞踊公演」は、4月17日(金)から25日(土)までの公演。チケットは、チケットWeb松竹チケットホン松竹にて販売中です。

海老蔵が語る4月南座「市川海老蔵特別舞踊公演」

2015/03/26